食材の鮮度を長持ちさせ、家計にもやさしい「専用袋不要」の真空パック機。
しかし、種類が多く、どれを選べばよいか迷うことも少なくありません。
この記事では、自身にぴったりの一台を見つけるためのポイントから、おすすめの機種、使い方まで、わかりやすく解説します。
無駄なく、おいしく、食品保存を始めるための一助となれば幸いです。
専用袋不要の真空パック機とは?基本とメリットを解説
真空パック機は、食品を保存する袋の中から空気を抜き、熱で密封することで、食品の鮮度を通常よりも長く保つためのキッチン家電です。
酸素に触れることを抑えるため、酸化による味や風味の劣化を防ぎ、雑菌の繁殖を抑制する効果が期待できます。
また、冷凍保存時の冷凍焼けを軽減したり、袋の中身が圧縮されることで冷蔵庫や冷凍庫内のスペースを有効活用できる点も魅力。
近年、特に注目を集めているのが「専用袋不要」タイプの真空パック機です。
従来の多くの真空パック機では、エンボス加工(凹凸加工)が施された専用の袋を使用する必要がありました。
この専用袋は、空気を効率よく排出するために重要な役割を担いますが、一方で市販のポリ袋などと比較して価格が高めであり、継続的に購入する必要があるため、ランニングコストが気になるという声もありました。
「専用袋不要」タイプは、こうした課題に応える形で登場しました。
最大のメリットは、スーパーやドラッグストアなどで手軽に入手できる市販のナイロンポリ袋やポリエチレン袋を使用できる点。
これにより、専用袋を別途購入する手間が省け、ランニングコストを大幅に抑えることが可能になりました。
専用袋不要真空パック機の選び方
専用袋不要の真空パック機は、ランニングコストを抑えつつ食品の鮮度を長持ちさせられる便利なアイテムですが、機種によって性能や使い勝手が異なります。
購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、押さえておくべき選び方のポイントを詳しく見ていきましょう。
① 脱気力(吸引力)|用途に合う強さを選ぶ
真空パック機の性能を示す重要な指標の一つが「脱気力(吸引力)」です。
これは通常、「kPa(キロパスカル)」という単位で表され、数値が大きいほど空気を強く吸い出す能力が高いことを意味します。
一般的な目安として、肉のブロックや魚を丸ごとなど、大きな食材を長期間保存したい場合や、より確実な密閉性を求める場合には、-80kPa前後の脱気力を持つモデルが推奨されます。
一方で、日常的に使う肉や魚の切り身を小分けにしたり、比較的短期間で消費する食材を保存したりする場合には、-60kPa程度の脱気力でも十分な場合があります。
このクラスのモデルは、価格も比較的リーズナブルなものが多い傾向にあります。
ただし、脱気力が高ければ高いほどよいというわけでもありません。
例えば、パンやケーキ、葉物野菜、水分を多く含む柔らかい果物などを強力すぎる吸引力でパックしようとすると、形が崩れてしまったり、水分が過剰に吸い出されてしまったりすることがあります。
このような食材を扱う可能性がある場合は、吸引力を調整できる手動モードや、「弱吸引モード」「ソフトモード」といった機能が搭載されているかどうかもチェックポイントとなります。
単に数値の大小で選ぶのではなく、用途とのバランス、そして必要に応じた調整機能の有無を確認しましょう。
② 液体対応|汁物やマリネもOK?対応範囲を確認
真空パック機を選ぶ際、意外と見落としがちながら重要なのが「液体対応」の可否とその範囲です。
カレーやシチュー、スープといった汁物はもちろん、煮物やマリネ液に漬け込んだ肉や魚など、汁気の多い食材を真空パックできれば、作り置きや下ごしらえの幅がぐっと広がります。
従来、家庭用モデルで液体を袋で真空パックしようとすると、液体を事前に半冷凍させたり、袋の口元に液体が付かないよう細心の注意を払ったりする必要がありました。
しかし、一部の機種では新しい真空方式を採用することで、市販のポリ袋を使って液体や汁気の多い食材をそのまま真空パックできるようになっています。
これにより、マリネ液ごと肉を漬け込んで下味冷凍したり、手づくりのソースやスープを簡単に長期保存したりと、調理の効率とレパートリーが格段に向上します。
③ 本体サイズと収納性|キッチンに置けるか、使いやすいか
真空パック機を家庭で使う上で、本体のサイズと収納性は見逃せないポイントです。
キッチンの作業スペースや収納場所には限りがあるため、購入前に設置場所や保管場所を具体的にイメージしておくことが大切です 。
本体サイズと合わせて確認したいのが「シール幅」です。
シール幅とは、袋の口を熱で圧着して閉じることができる最大の長さのこと。
大きな肉の塊や魚を丸ごとパックしたい、あるいは幅の広い袋を使いたいという場合は、シール幅が30cm程度あると余裕を持って作業できます。
④ 対応袋の種類と入手性|どんな市販袋が使える?
真空パック機で効果的に食品を保存するためには、袋の材質や厚みが重要になります。
一般的に、専用袋不要の真空パック機で推奨されるのは、「ナイロンポリ袋」。
ナイロンポリ袋は、酸素を通しにくく、強度もあるため真空保存に適しています。
あまりに薄い袋は、吸引時に破れたり、ノズルに吸い込まれたり、シールがしっかりできなかったりする可能性が高いので避けるべきです。
多くの真空パック機メーカーは、推奨する袋の厚さ(例:0.07mm以上など)を示している場合があるので、確認するとよいでしょう。
専用袋不要真空パック機のおすすめ人気ランキング
ここからは、選び方のポイントを踏まえ、編集部が注目する「専用袋不要」真空パック機をご紹介します。
ご自身の使い方にぴったりの一台を探してみてくださいね。
専用袋不要真空パック機を上手に使うコツと注意点
専用袋不要の真空パック機は、正しく使うことでその能力を最大限に発揮し、食品の鮮度をより長く保つことができます。ここでは、上手に使いこなすためのコツと、安全に使用するための注意点を解説します。
① 袋のセットとシール:空気をしっかり抜くために
まず、袋の口はまっすぐにし、しわが寄らないように吸引部にセットすることが基本です。
ノズル式の多くは、袋の口からノズルを差し込んで空気を吸引しますが、この際、ノズルが袋のフィルムを吸い込んでしまわないように、袋の口元を軽く広げたり、ノズル付近の袋を指で軽く押さえて調整したりする工夫が必要な場合があります。
脱気が完了したら、次はシールです。
シール部分は熱で圧着されるため、この部分に水分や油分、食材カスなどが付着していると、シールの強度が弱まり、空気が入ってしまう原因になります。
シールする箇所は常に清潔に保ちましょう。
また、袋の材質や厚みによって適切なシール時間が異なる場合があります。
多くの機種は自動でシールを行いますが、手動でシール時間を調整できる機種の場合は、使用する袋に合わせて最適な時間を見つけることが大切です。
② 食材の下準備:鮮度を保ち、機械を守るために
水分の多い食材、例えば洗ったばかりの野菜や、ドリップが出やすい生の肉・魚などは、キッチンペーパーで表面の水分を軽く拭き取ってから袋に入れるようにしましょう。
あまりにも水分が多いと、脱気時に水分がノズルや機械内部に吸い込まれ、故障の原因となることがあります。
非常に水分の多いものや、形を崩したくない柔らかい食材は、軽く冷凍(半冷凍)してからパックするのも有効な手段です。
次に、粉末状の食材(小麦粉、スパイス、コーヒー粉など)を真空パックする場合は注意が必要です。
そのままパックしようとすると、脱気の際に粉末が舞い上がり、ノズルを詰まらせたり、シール部分に挟まってシール不良を起こしたりする可能性があります。
粉物をパックする際は、一度キッチンペーパーで包んでから袋に入れるか、機種によっては粉物モードやフィルター機能が付いているものを選ぶとよいでしょう。
最後に、熱い食材は必ず十分に冷ましてから真空パックするようにしましょう。
熱いままパックすると、袋の中で蒸気が発生し、水滴となってシール不良の原因になったり、食材の劣化を早めたりすることがあります。
③ 保存方法と解凍・加熱:おいしく安全に食べるために
真空パックした食品は、適切に保存し、安全に解凍・加熱することが、おいしさを保ち、食中毒などのリスクを避ける上で非常に重要です。
まず基本として、真空パックは食品を無菌状態にするものではありません。
酸素を遮断することで好気性菌(酸素を好む細菌)の増殖は抑えられますが、嫌気性菌(酸素がない環境でも増殖できる細菌、例えばボツリヌス菌など)のリスクが完全になくなるわけではありません。
したがって、真空パックした後も、その食品が本来必要とする温度管理(冷蔵または冷凍)を必ず行う必要があります。
冷凍した真空パック食材を解凍する際は、急激な温度変化を避け、冷蔵庫内でゆっくり解凍するか、流水解凍するのがおすすめです。
真空パックした袋のまま湯せんや電子レンジで加熱する場合は、使用する袋がその加熱方法と温度に対応していることを必ず確認してください。
耐熱性のない袋を加熱すると、袋が溶けたり、有害物質が食品に移ったりする危険性があります。
専用袋不要真空パック機に関するよくある質問
ここでは、専用袋不要の真空パック機について、多くの方が疑問に思う点や気になる点をQ&A形式でまとめました。
どんな市販の袋でも本当に使えますか? 厚さや素材の目安は?
どんな袋でも使えるわけではありません。
一般的に推奨されるのは、ある程度の強度と気密性を持つ「ナイロンポリ袋」です。
厚みの目安としては、0.07mm(70ミクロン)以上のものが望ましいでしょう。
薄すぎるポリエチレン袋(スーパーのレジ袋など)は、吸引時に破れたり、ノズルに吸い込まれたり、シールがうまくできなかったりすることがあります。
また、湯せんや電子レンジで使用する場合は、耐熱性のある袋を選ぶ必要があります。
専用袋が必要なタイプとの一番の違いは何ですか?
最大の違いは、袋にかかる「ランニングコスト」です。
専用袋不要タイプは、スーパーなどで比較的安価に入手できる市販の袋を使用できるため、専用袋を継続的に購入する必要があるタイプと比較して、袋代を大幅に節約できます。
ただし、市販の袋を使用する場合、特にノズル式の機種では、袋のセットやシールの際に少しコツがいることがあります。
液体や汁物は本当に真空パックできますか? こぼれませんか?
機種によって対応状況が異なります。
「液体対応」と記載されていても、袋のまま液体を真空パックできる機種と、専用の容器(キャニスター)が必要な機種があります。
袋のまま液体を扱える機種でも、一度にパックできる液体の量には制限があったり、袋の口元に液体が付着しないよう注意深く操作する必要があったりします。
入れすぎたり、機械を大きく傾けたりすると、液体が機械内部に吸い込まれて故障の原因になることもあるため、取扱説明書をよく読んで慎重に使用してください。
お手入れは難しいですか?
ノズル式の真空パック機は比較的シンプルな構造のものが多いですが、日常的なお手入れは必要です。
特に液体や食材カスを吸い込んでしまった場合は、速やかに清掃することが大切です。
多くの機種では、ノズル周りや本体のシール部分を拭き掃除する程度ですが、ドリップトレイ(液体受け)が取り外して洗えるモデルや、ノズル清掃用の専用ホースが付属しているモデルを選ぶと、お手入れが楽になる場合があります。
真空パックした食品の保存期間はどれくらい延びますか?
食品の種類、元の鮮度、保存方法(冷蔵か冷凍かなど)、そして真空パックの精度によって大きく異なりますが、一般的には通常の保存方法と比較して、鮮度や風味を保てる期間が大幅に長くなると言われています。
例えば、冷凍保存の場合、冷凍焼けを防いでくれるため、品質の劣化を遅らせることができます。
ただし、真空パックは食品を永久に保存できる魔法の道具ではありません。
あくまで保存期間を「延ばす」ものであり、風味や安全性を考慮し、できるだけ早めに消費することを心がけましょう。
まとめ
専用袋不要の真空パック機は、日々の食品保存において多くのメリットをもたらしてくれます。
最大の魅力は、専用袋の購入コストを気にすることなく、スーパーなどで手軽に入手できる市販の袋を使える経済性と利便性です。
この記事では、後悔しないための選び方のポイントとして、脱気力(kPa)、液体対応の可否と方法、本体サイズと収納性、対応できる市販袋の種類などについて解説してきました。
真空パック機を上手に活用することで、食材の鮮度を長持ちさせるだけでなく、下味冷凍や調理済み食品の保存、さらには低温調理の下準備など、調理の幅も広がります。
これにより、忙しい毎日の中でも計画的に食材を管理し、より豊かで無駄のない食生活を送る一助となるでしょう。
この記事で得た情報が、皆様にとって最適な一台を見つけるためのお役に立てれば幸いです。
紹介した製品の中で気になるものがあれば、ぜひ詳細情報をチェックしてみてください。
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