乾燥が気になる季節に欠かせない加湿器。加湿方式や置く場所によって効果が変わるので、それぞれのポイントをおさえて選びたいところ。本記事では使っているうちに気になるお手入れのことやタイプ別の選び方、象印・ダイニチ・アイリスオーヤマなどのおすすめのメーカーを徹底的に解説していきます。
また、加湿器の効果的な置き場所や冬の最適な湿度について、札幌市立大学の齊藤教授が詳しく解説しています。ぜひそちらも併せてご覧ください!
加湿方式の種類は3つ。スチーム式・気化式・超音波式の違いは?
加湿器を選ぶうえでまずおさえておきたいのが、加湿方式の違い。加湿方式は、スチーム式・気化式・超音波式の3つに大別されます。
スチーム式の加湿器は、お湯を沸かす際に出る蒸気を利用して加湿するしくみ。お手入れするパーツが少なくカビが生えにくいことから、近年注目を集めている加湿方式です。
気化式の加湿器は、濡れたフィルターに風を通すことでそこから蒸発した水分を活用して加湿するしくみです。スチーム式の加湿器と同等の加湿力を持ちながら、電気代が安く済むのがポイント。
超音波式の加湿器は、振動によって水蒸気を発生させるしくみです。上で紹介した気化式やスチーム式の加湿器に比べて、加湿力は低め。アロマ機能がついた商品や小型サイズの商品、かわいいデザインの商品など選択の幅が広いことも特徴です。
人気の加湿器おすすめ9選
ここからはAmebaチョイス編集部が選んだ人気の加湿器9選を、スチーム式・気化式・超音波式の3つの加湿方式ごとにご紹介します。
各商品、実際に使用してわかった加湿力やお手入れに関する検証レポートを載せているので、ぜひ参考にしてくださいね。
スチーム式加湿器のおすすめランキング
お手入れが簡単なスチーム式の加湿器。他の加湿方式の商品に比べて電気代がかかりますが、それを上回るメンテナンスの楽さやカビの生えにくさでおすすめできるタイプです。
気化式加湿器のおすすめランキング
電気代が安いうえに加湿能力も高いため、広いリビングで24時間稼動させる場合は気化式の加湿器がおすすめ。蒸気が出ないので、小さい子供が好奇心を持って触ってしまいづらい点も利点です。
一方で、お手入れしないまま放置しておくと、フィルターからカビ臭が発生するため注意が必要。サボらずにお手入れができる人は、気化式を選ぶと良いでしょう。
超音波式加湿器のおすすめランキング
構造がシンプルなため小型のものからおしゃれなものまで幅広い選択肢のある超音波式の加湿器。本体価格が安いものが多く、アロマの香りを楽しめるのもメリットの一つです。
一方で、お手入れするパーツが多いことや肝心の加湿力が物足りないことも選ぶ前に知っておきたいポイント。小さめの部屋で使用したい人や、デザインや安さを重視したい人向きの加湿タイプです。
加湿器のココが気になる!“住まいの空気環境のプロ”に直撃インタビューしてみた!
加湿器を使ううえで気になることを、札幌市立大学で「都市・建築環境デザイン」を研究している齊藤雅也教授に聞いてみました。
齊藤教授によると、大事なのは加湿器に表示されている湿度だけではないそう…。
- 室温(空気温度)22〜23℃、湿度40%前後が最適です。
これは全世界で平均的に90%以上の人が「不快でない(快適)」と言える領域。ポイントは全世界平均でということなのです。オフィスで冬の環境(男性だとスーツ+ネクタイで事務作業をしている状態)だとこの空気温湿度が理想とされています。
また、室温よりも大事なのが「表面温度」。家の中だと床面や壁面や窓の面などが、自分たちの体感にものすごく影響するんです。空気の温度・湿度も関係しますが、一番ダイレクトに効いてくるのは表面温度で、室内の空気温度は、表面温度の影響を強く受けます。地球(屋外)でも太陽からの日ざし、天空の影響で地面の温度が決まってから、空気の温度(外気温)が概ね決まります。
- 加湿器をより効果的に使うためによい置き場所は、室温が高くなりやすいところ。逆に冷えやすい窓際などに置くのは避けると良いでしょう。
というのも、「相対湿度」の意味についてご存知でしょうか。相対湿度は、空気の温度が低い場所では湿度が高く表示され、温度の高い場所では湿度が低く表示されます。これは空気の温度が低ければ低いほど、空気中に含むことができる水分量が少なくなるからです。
部屋の中央に比べて空気の温度が低くなりがちな窓際に加湿器を置くと、相対湿度が高めに表示される傾向があります。つまり、加湿器内部のセンサーが「湿度が高いからもう加湿しなくていい」と判断してパワーを下げ、加湿を抑えてしまいます。空気の温度が高いところに加湿器を置くことがおすすめです。
- 結露は、加湿器から放たれた湿った空気が、窓面とカーテンの隙間を通って冷えた窓面に吸い寄せられることによって発生します。
これは、せっかく室内で加湿しているにもかかわらず、窓面が「除湿機」になり水分を奪うような状況になっていると言えます。 結露を防ぐために重要なのは、加湿器から放たれた湿った空気が窓とカーテンの間に入らないようにすることです。
最近の家にはカーテンの上部にはカーテンを吊るすボックスがありますが、それが結露を発生させないようバリアになってくれます。ボックスがない場合は、 後付けのカーテンボックスを設置するか、上から大きめのタオルを被せるなどの隙間をふさぐ対応をすると良いでしょう。
また、カーテンの下端や左右の両端からの空気の侵入を塞ぐためには、カーテンを床まで垂らす、カーテンの両端と窓枠・壁面をマジックテープで付けるなどの方法があります。
加湿器9台を実際に購入!どれが本当にいい加湿器なのかを徹底検証
今回は、どれがおすすめできる加湿器なのかを調べるために、人気の加湿器9商品を実際に購入して検証しました。検証した項目とその結果は以下の通り。
検証の結果、部屋全体が加湿さないものや、電気代が他の商品と比べて10倍ほど差が出るものなどがあり、比べてはじめてわかることがたくさんありました。
① 加湿力
およそ7畳の部屋で加湿器を1時間稼動させ、本体付近・1m先・3m先の計3箇所に温湿度計を置いて、絶対湿度(空気中に含まれる水蒸気の質量)の変化を確認しました。
検証の結果、気化式・スチーム式の商品は部屋全体が加湿される結果に。超音波式の加湿器は本体付近のみ加湿されて部屋全体を加湿するほどのパワーはないことがわかりました。
また、スチーム式の加湿器は部屋全体の温かい空気が拡散されることで部屋全体の温度もやや上がりました。
② お手入れのしやすさ
タンクや排水トレーの構造の複雑さ、お手入れするパーツの多さを中心に、お手入れが面倒と思うポイントを減点して評価しました。
検証の結果、気化式・超音波式の加湿器はお手入れするパーツが多く細かい箇所が多いことがわかりました。一方でスチーム式の加湿器はお手入れするパーツが少なく、「タンクのお手入れはクエン酸水を入れて稼動させるだけ」というシンプルなお手入れ方法。
スチーム式ほどの手軽さではありませんが、気化式のシャープ・ダイニチの2商品はお手入れをしやすくする工夫がされていました。シャープの商品はタンクと排水トレーが一体となっており、細かい凹凸が少ない構造、ダイニチの商品は、排水トレーの上に透明なフィルターカバーがありました。
③ 電気代の安さ
1時間稼動させた際の電気代をワットモニターを使用して計測しました。
検証の結果、気化式・超音波式の加湿器は電気代が安く、スチーム式の加湿器は10倍以上の電気代がかかることがわかりました。
お手入れのしやすさや加湿力を考えるとスチーム式の加湿器が魅力的ですが、電気代を節約するなら、気化式や超音波式を使用するのがおすすめです。
まとめ
冬場の乾燥を防いでくれるのに活躍する加湿器。ここまで、加湿方式の違いやおすすめの商品、検証した結果や住まいの空気環境のプロによる豆知識をご紹介しました。
2024年〜2025年の冬は昨年よりも寒いと言われています。しっかりと体を温めつつ暖房で乾燥した部屋を快適な環境にできるように、自分に合った加湿器を見つけてくださいね。
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