最近、「本を聴く」という新しい読書スタイルや、本を「読み上げ」てくれるサービスへの関心が高まっています。
忙しい毎日の中で、「通勤中や家事をしながらでも読書時間を確保したい」「目を使わずに情報をインプットしたい」と考える方にとって、オーディオブックは魅力的な選択肢かもしれません。
この記事では、そんなオーディオブックの基本から自分に合ったサービスの選び方まで、わかりやすく解説します。
オーディオブックとは?|プロが朗読する「聴く本」
オーディオブックとは、書籍をプロのナレーターや声優、時には著者自身が朗読し、それを音声コンテンツとして提供するサービスです。
単に文字情報を音声に変換するのではなく、朗読のプロが持つ表現力や感情、声のトーンを通じて、物語や情報がより深く、生き生きと伝わってくるのが特徴です。
紙の書籍や電子書籍が「目で読む」のに対し、オーディオブックは「耳で聴く本」と言えるでしょう。
これにより、読書の楽しみ方が広がり、新たな体験が可能になります。
特に小説などでは、登場人物の感情や情景が音声によって豊かに表現され、まるで映画やドラマを観ているかのような没入感を得られることもあります。
オーディオブックサービスの選び方と比較ポイント
オーディオブックサービスはさまざまあり、どれを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。
自分にぴったりのサービスを見つけるためには、いくつかの比較ポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、後悔しないためのオーディオブックサービスの選び方をご紹介します。
料金プラン|聴き放題か都度購入か?
オーディオブックの料金体系は、主に「月額聴き放題」「ポイント制・月額購入」「都度購入」の3つに分けられます。
月額聞き放題プラン
月々定額の料金を支払うことで、対象となっている作品が聴き放題になるプランです。
Audibleやaudiobook.jpの聴き放題プランなどがこれにあたります。
月に何冊も聴きたい、いろいろなジャンルの本を試したいという方には、コストパフォーマンスがよい選択肢です。
ただし、あまり聴かない月でも固定費がかかる点には注意が必要です。
ポイント制・月額購入プラン
毎月一定のポイントが付与され、そのポイントを使って好きなオーディオブックを購入したり、月に数冊分のチケットがもらえたりするプランです。
Kikubonのプレミアム会員制度や、かつてのaudiobook.jpのチケットプラン(現在は聴き放題が主流)がこれに近い考え方です。
毎月決まった冊数だけ聴きたい、特定の本をお得に手に入れたい場合に適しています。
都度購入(単品購入)プラン
聴きたいオーディオブックを1冊ずつ購入するプランです。
Google Play ブックス オーディオブックや、Audibleの聴き放題対象外作品の購入などがこれに該当します。
特定の作品だけを聴きたい、自分のペースで不定期に利用したいという方に向いています。
頻繁に聴く場合は割高になる可能性があります。
多くのサービスでは無料体験期間が設けられています。
まずはこの無料体験を利用して、実際の使い勝手やコンテンツの充実度を確認し、自分の聴取スタイルに合った料金プランを見極めることが重要です。
作品数と得意ジャンル|読みたい本が見つかるか
料金プランと並んで重要なのが、作品数と得意ジャンルです。
いくら料金がお得でも、読みたい本がなければ意味がありません。
各サービスには、得意とするジャンルや特色があります。
例えば、Audibleは国内外のベストセラーから専門書まで幅広いジャンルを網羅しているのに対し 、audiobook.jpはビジネス書や日本の書籍に強く 、Kikubonは小説やライトノベル、特に声優による朗読作品が充実しています。
また、LisBoは講演会や落語、講談といった他ではあまり見られない音源に特化しています。
自分がよく読むジャンルや、特定の作家・シリーズの作品が豊富に揃っているか、無料体験期間などを利用して事前に確認することをおすすめします。
アプリの機能性:快適な「聴く読書」体験のために
オーディオブックを快適に楽しむためには、専用アプリの機能性も重要なポイントです。
再生速度調整機能
- 朗読の速度を自分の好みに合わせて変更できる機能です。
速聴きで効率よく情報を得たい場合や、じっくりと味わいたい場合など、コンテンツや目的に応じて調整できると便利です。
オフライン再生機能
- 事前に作品をダウンロードしておくことで、インターネット環境がない場所でも再生できる機能です。
通勤中の地下鉄や飛行機内などでの利用には必須と言えるでしょう 。
ブックマーク(しおり)機能
- 気に入った箇所や後で聴き返したい部分に印を付けておける機能です。
学習目的での利用や、長い作品を少しずつ聴き進める際に役立ちます。
バックグラウンド再生機能
- オーディオブックを聴きながら、他のアプリを操作したり、スマートフォンの画面をオフにしたりできる機能です。
「ながら聴き」には欠かせません。
再生位置の同期機能
- スマートフォンで聴いていた続きを、タブレットやパソコンなど別の端末で再開できる機能です。
複数のデバイスを使い分ける方には便利です。
これらの機能の有無や使い勝手は、サービスによって異なります。無料体験を通じて、アプリの操作感や自分に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
朗読・本の読み上げにおすすめなオーディオブックアプリ人気ランキング5選
オーディオブックを始める前に知っておきたい注意点
オーディオブックは非常に便利なサービスですが、利用を始める前にいくつか知っておきたい注意点があります。
これらを事前に把握しておくことで、より快適にオーディオブックライフを楽しむことができるでしょう。
データ通信量とストレージ容量
-
オーディオブックをストリーミング再生する場合、データ通信量を消費します。
特に長時間の作品をモバイルデータ通信で聴くと、通信制限にかかってしまう可能性もあります。
多くのサービスではダウンロード機能が提供されているため、Wi-Fi環境下で作品をダウンロードしておけば、データ通信量を気にせず、またオフラインでも楽しむことができます。
ダウンロードした作品は、デバイスのストレージ容量を消費することも覚えておきましょう。
サブスクリプションの罠
-
多くの聴き放題サービスでは無料体験期間が設けられていますが、この期間が終了すると自動的に有料プランに移行し、料金が発生するのが一般的です。
もし継続利用する意思がない場合は、無料体験期間中に必ず解約手続きを行うようにしましょう。
うっかり忘れてしまうと、意図しない支払いが発生する可能性があります。
全ての書籍がオーディオブック化されているわけではない
-
読みたい本が必ずしもオーディオブックになっているとは限りません。
特に専門書や古い作品、ニッチなジャンルの本などは、オーディオブック化されていない場合が多いです。
また、あるサービスでは配信されていても、別のサービスでは取り扱いがないということもあります。
聞き放題プランの対象作品
-
「聴き放題」と謳っていても、そのサービスで配信されている全ての作品が対象となるわけではありません。
新作や一部の人気作品、特定の出版社の作品などは、聴き放題プランの対象外で、別途購入が必要となる場合があります。
利用したいサービスがどのような範囲の作品を聴き放題対象としているか、事前に確認しておくとよいでしょう。
これらの点を理解した上でサービスを選び、利用することで、予期せぬトラブルを避け、オーディオブックのメリットを最大限に享受できるはずです。
オーディオブックに関するよくある質問
オーディオブックに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
オーディオブックは本当に読書と同じ効果がありますか?
- オーディオブックを聴くことと、文字を読むことでは、体験は異なりますが、内容の理解や知識の習得という点では同様の効果が期待できます。
オーディオブックは聴覚を通じて情報を処理し、プロのナレーターによる感情豊かな朗読は、物語への没入感や登場人物への共感を深める助けになることもあります。
一方で、目で文字を追う読書は、自分のペースでじっくり考えたり、図表や細部を確認したりするのに適しています。
どちらが良いというよりも、状況や目的に応じて使い分けるのがよいでしょう。
無料でオーディオブックを聴く方法はありますか?
- はい、いくつかの方法があります。
- サービスの無料体験を利用する
Audible、audiobook.jp、LisBoなど、多くの有料サービスでは無料体験期間を提供しています。
この期間を利用すれば、実質無料でオーディオブックを楽しむことができます。 - 無料コンテンツを提供するサービスを利用する
Kikubonでは700冊以上の無料オーディオブックが提供されています。 - 著作権切れの作品(パブリックドメイン)を探す
インターネット上には、著作権が切れた文学作品などをボランティアが朗読して公開しているサイトもあります(例:青空文庫のテキストを元にした朗読など)。
ただし、これらの品質はプロのオーディオブックとは異なる場合があります。
- サービスの無料体験を利用する
解約後、購入・ダウンロードしたオーディオブックはどうなりますか?
- これはサービスや購入形態によって異なります。
- 都度購入した作品
Google Play ブックス オーディオブックや、Audibleで聴き放題対象外として個別に購入した作品などは、基本的にサービスを解約したり、会員でなくなったりしても引き続き聴くことができます。 - 聴き放題プランで利用していた作品
Audibleやaudiobook.jpの聴き放題プランでダウンロードした作品は、解約すると聴けなくなるのが一般的です。
LisBoも同様に、退会月の末日を過ぎると聴き放題コンテンツは再生できなくなります。
Kikubonは主に都度購入のため、購入した作品は引き続き利用できると考えられます。
- 都度購入した作品
まとめ
この記事では、オーディオブックの基本や選び方、そしておすすめのサービス5選まで詳しく解説してきました。
オーディオブックは、通勤中や家事の合間など、これまで読書が難しかった時間を有効活用できるだけでなく、プロの朗読による豊かな表現力で物語の世界に深く没入したり、目の疲れを気にせずに本の内容を楽しんだりできる、新しいスタイルの読書体験を提供してくれます。
この記事で紹介した情報を参考に、まずは気になるサービスの無料体験から始めて、あなたの生活に「聴く読書」を取り入れてみませんか?
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