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小説のおすすめランキング28選!本のソムリエが選ぶとっておきの一冊も


2025年注目の小説を売上や話題性をもとにした総合ランキングでご紹介。さらに、本のソムリエや本屋店主の方々が独自の視点で選んだ「おすすめの1冊」も併せてお届けします。

ベストセラーから新進気鋭の作家による新刊まで、幅広いジャンルから厳選。あなたの次に読みたい1冊が必ず見つかるはずです。

専門家

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団長

本のソムリエ

年間1,000冊以上の読書を楽しむ“本のソムリエ”。NHKを始めとするテレビ番組やラジオ番組に多数出演の他、雑誌や新聞、WEBコラムなどに読書関連の執筆を行う。講演は、経営者対象から、図書館、一般まで幅広く行い、学校では日本全国、及び海外でも特別授業や読み聞かせを行う。ライフワークは、旅と芸術。世界50か国以上、800以上の美術館を巡っている。著書『年間1000冊以上の読書を楽しむ本のソムリエ団長の読書教室』、翻訳書『ふたりの兄弟』(原作:トルストイ)などがある。

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hiro

BOOKS HIRO店主

共同書店PASSAGE SOLIDA とPASSAGE RIVE GAUCHEで、一棚店主とスタッフをやっています。ALL REVIEWS友の会会員です。ニュースレター「BOOKS HIRO通信」を配信中。

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塚本 顕成

SOCIALDIA主宰、会社員

人文系の読書会やイベントを企画するSOCIALDIA主宰。普段は会社員として、IT企業でイベントマーケティングをしている。書いた文章に「住み開きの社会学」『ゆるレポ』(人文書院)。

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サトウクリ

読書会主宰者

2014年2月22日「知的好奇心を解き放つ出会いの場」をコンセプトに「横浜読書会KURIBOOKS」を立ち上げる。第1回の参加者は僅か1名だった。10年周年を迎え、読書会回数は530回、参加者数は延べ5700人を超えるコミュニティに成長する。横浜にあるカフェやオンラインZoom、仮想空間のメタバースを拠点に活動を続けている。また、第31期横浜市教育委員会の社会教育委員会議に出席するなど、神奈川県内を中心に読書会主宰者としての講演依頼をこなす。新聞等でもその活動が取り上げられる。自称!無類の読書好き。

専門家

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のーさん

彩ふ読書会主催

2015年、新年早々インフルエンザにかかり「元気なのに何も出来ない」という状況に追い込まれた結果、読書にハマる。1日1冊365冊読了した自信を携え、以前から気になっていた「読書会」なるイベントに参加。趣味で繋がるコミュニティの面白さと偉大さを知る。仕事の都合上、その会に参加出来なくなったことをきっかけに、自身で本が好きな人の居場所作りを目的とした読書コミュニティ「彩ふ読書会」を立ち上げる。2017年11月に大阪でスタートし、現在は京都や東京でも読書会を開催している。

小説のおすすめランキング23選|押さえておきたい昨年最も読まれた本は?

ここでは、読者の評価(ブクログ、読書メーター、HMVの2024年総合ランキング)をもとに、今年押さえておきたいおすすめ小説をランキング形式でご紹介します。ぜひ作品選びの参考にしてくださいね。

1位

新潮社

成瀬は信じた道をいく

参考価格1,584円(税込)

WHY

その前途、誰にも予測不能!

成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生……。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており……!? 読み応え、ますますパワーアップの全5篇!

2位

KADOKAWA(カドカワ)

変な家

参考価格792円(税込)

WHY

謎の覆面作家・雨穴デビュー作!読み出したら止まらない」と大反響、ついに100万部突破

知人が購入を検討している都内の中古一軒家。

開放的で明るい内装の、ごくありふれた物件に思えたが、間取り図に「謎の空間」が存在していた。

知り合いの設計士にその間取り図を見せると、この家は、そこかしこに「奇妙な違和感」が存在すると言う。

間取りの謎をたどった先に見たものとは……。

不可解な間取りの真相は!?

突如消えた「元住人」は一体何者!?

本書で全ての謎が解き明かされる!

3位

幻冬舎

白鳥とコウモリ

参考価格611円(税込)

WHY

幸せな日々は、もう手放さなければならない。

遺体で発見された善良な弁護士。

一人の男が殺害を自供し事件は解決――のはずだった。

「すべて、私がやりました。すべての事件の犯人は私です」

2017年東京、1984年愛知を繋ぐ、ある男の"告白"、その絶望――そして希望。

「罪と罰の問題はとても難しくて、簡単に答えを出せるものじゃない」

私たちは未知なる迷宮に引き込まれる――。

4位

河出書房新社

宙わたる教室

参考価格1,700円(税込)

WHY

第70回青少年読書感想文全国コンクール課題図書&NHK「ドラマ10」決定!

東京・新宿にある都立高校の定時制。

そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。

「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、学会で発表することを目標に、「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。

『月まで三キロ』『八月の銀の雪』著者がおくる、今年一番熱い青春科学小説!

5位

光文社

ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人

参考価格990円(税込)

WHY

なぜこの商品が選ばれたのか

名もなき町。ほとんどの人が訪れたこともなく、訪れようともしない町。けれど、この町は寂れてはいても観光地で、再び客を呼ぶための華々しい計画が進行中だった。多くの住民の期待を集めていた計画はしかし、世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫。町は望みを絶たれてしまう。そんなタイミングで殺人事件が発生。犯人はもちろん、犯行の流れも謎だらけ。当然だが、警察は、被害者遺族にも関係者にも捜査過程を教えてくれない。いったい、何が起こったのか。「俺は自分の手で、警察より先に真相を突き止めたいと思っている」──。颯爽とあらわれた〝黒い魔術師〟が人を喰ったような知恵と仕掛けを駆使して、犯人と警察に挑む!

最新で普遍的。この男の小説は、ここまで凄くなる。東野圭吾、圧巻の離れ業。

6位

角川書店

地雷グリコ

参考価格1,732円(税込)

WHY

ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説!

射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。

平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地雷グリコ」)、百人一首の絵札を用いた神経衰弱に挑んだり(「坊主衰弱」)。次々と強者を打ち破る真兎の、勝負の先に待ち受けるものとは――ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説、全5篇。

7位

スターツ出版

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

参考価格550円(税込)

WHY

なぜこの商品が選ばれたのか

親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった――。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。涙なくしては読めない、怒濤のラストは圧巻!

8位

水鈴社

スピノザの診察室

参考価格1,683円(税込)

WHY

なぜこの商品が選ばれたのか

現役医師として命と向き合い続けた著者が到達した、「人の幸せ」とは。

累計340万部突破のベストセラーシリーズ『神様のカルテ』を凌駕する、新たな傑作の誕生!

その医師は、最期に希望の灯りをともす。

9位

朝日新聞出版

傲慢と善良

参考価格765円(税込)

WHY

なぜこの商品が選ばれたのか

婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。

10位

中央公論新社

わたしの知る花

参考価格1,870円(税込)

WHY

なぜこの商品が選ばれたのか

「あんたは、俺から花をもらってくれるのか」犯罪者だと町で噂されていた老人が、孤独死した。部屋に残っていたのは、彼が手ずから咲かせた綺麗な《花》――。生前知り合っていた女子高生・安珠は、彼のことを調べるうちに、意外な過去を知ることになる。淡く、薄く、醜くも、尊い。様々な花から蘇る記憶――。これは、謎めいた老人が描く、愛おしい人生の物語。

11位

角川書店

人間標本

参考価格1,833円(税込)

WHY

人間も一番美しい時に標本にできればいいのにな

蝶が恋しい。蝶のことだけを考えながら生きていきたい。蝶の目に映る世界を欲した私は、ある日天啓を受ける。あの美しい少年たちは蝶なのだ。その輝きは標本になっても色あせることはない。五体目の標本が完成した時には大きな達成感を得たが、再び飢餓感が膨れ上がる。今こそ最高傑作を完成させるべきだ。果たしてそれは誰の標本か。――幼い時からその成長を目に焼き付けてきた息子の姿もまた、蝶として私の目に映ったのだった。イヤミスの女王、さらなる覚醒。15周年記念書下ろし作品。

12位

文藝春秋

透明な螺旋

参考価格880円(税込)

WHY

誰も知らなかった湯川(ガリレオ)の秘密

南房総沖に、男の銃殺死体が浮かんだ。同時に、男の行方不明者届を出していた同居人の女が行方をくらませた。捜査にあたった草薙と内海薫はその過程で、思いがけず湯川学の名前に行きつく。草薙はすぐさま湯川の元を訪れたが、彼はそこ、横須賀のマンションで意外な生活を送っていた――。巻末に短篇「重命る(かさなる)」を特別収録。

13位

新潮社

百年の孤独

参考価格1,375円(税込)

WHY

奇妙な寒村を開墾しながら孤独に生きる一族。その宿命を描いた、目も眩む百年の物語。

1967年にアルゼンチンのスダメリカナ社から刊行されて以来、世界の名だたる作家たちが賛辞を惜しまず、その影響下にあることを公言している世界文学屈指の名著。現在までに46の言語に翻訳され、5000万部発行されている世界的ベストセラー。「マジック・リアリズム」というキーワードとともに文学シーンに巨大な影響を与え続けている。2022年にはNETFLIXが映像化の権利獲得を発表、大きな話題を呼んだ。蜃気楼の村マコンドを開墾しながら、愛なき世界を生きる孤独な一族の歴史を描いた一大サーガ。

14位

新潮社

ともぐい

参考価格1,732円(税込)

WHY

己は人間のなりをした何ものか――人と獣の理屈なき命の応酬の果てには

明治後期の北海道の山で、猟師というより獣そのものの嗅覚で獲物と対峙する男、熊爪。図らずも我が領分を侵した穴持たずの熊、蠱惑的な盲目の少女、ロシアとの戦争に向かってきな臭さを漂わせる時代の変化……すべてが運命を狂わせてゆく。人間、そして獣たちの業と悲哀が心を揺さぶる、河﨑流動物文学の最高到達点!!

15位

講談社

方舟

参考価格913円(税込)

WHY

極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。

友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。

いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。

生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。

16位

早川書房

アルジャーノンに花束を

参考価格851円(税込)

WHY

なぜこの商品が選ばれたのか

32歳で幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリイは、ある日、ネズミのアルジャーノンと同じ画期的な脳外科手術を受ければ頭がよくなると告げられる。手術を受けたチャーリイは、超天才に変貌していくが……人生のさまざまな問題と喜怒哀楽を繊細に描き、全世界が涙した現代の聖書。

17位

筑摩書房

spring

参考価格1,870円(税込)

WHY

「俺は世界を戦慄せしめているか?」

自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家・萬(よろず)春(はる)。

少年は八歳でバレエに出会い、十五歳で海を渡った。

同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。

彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。

一人の天才をめぐる傑作長編小説。

18位

実業之日本社

クスノキの女神

参考価格1,980円(税込)

WHY

少女と少年には秘密があった——。 不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。 累計100万部突破!待望のシリーズ第2弾!

神社に詩集を置かせてくれと頼んできた女子高生の佑紀奈には、玲斗だけが知る重大な秘密があった。

一方、認知症カフェで玲斗が出会った記憶障害のある少年・元哉は、佑紀奈の詩集を見てインスピレーションを感じる。

玲斗が二人を出会わせたところ瞬く間に意気投合し、思いがけないプランが立ち上がる。

不思議な力を持つクスノキと、その番人の元を訪れる人々が織りなす物語。

待望のシリーズ第二弾!

19位

講談社

なれのはて

参考価格2,035円(税込)

WHY

「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物のなれのはてだ」

1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。

芸術が招いた、意図しない悲劇。

暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。

長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。

戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。

20位

スターツ出版

あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。

参考価格550円(税込)

WHY

初めて会ったはずの君に 僕はどうしようもなく惹かれた

中2の涼は転校先の学校で、どこか大人びた同級生・百合と出会う。初めて会うのになぜか懐かしく、ずっと前から知っていたような不思議な感覚。まっすぐで凛とした百合に涼はどんどん惹かれていく。しかし告白を決意した矢先、百合から聞かされたのは、75年前の戦時中にまつわる驚くべき話で――百合の悲しすぎる過去の恋物語だった。好きな人に、忘れられない過去の恋があったら、それでも思いを貫けますか?愛することの意味を教えてくれる感動作。

21位

新潮社

笑う森

参考価格2,372円(税込)

WHY

神森で行方不明になった5歳児と迷い込んだ4人の男女。拭えない罪を背負う彼らの真実と贖罪。

原生林で5歳のASD児が行方不明になった。1週間後無事に保護されるが「クマさんが助けてくれた」と語るのみで全容を把握できない。バッシングに遭う母のため義弟が懸命に調査し、4人の男女と一緒にいたことは判明するが空白の時間は完全に埋まらない。森での邂逅が導く未来とは。希望と再生に溢れた荻原ワールド真骨頂。

22位

新潮社

世界でいちばん透きとおった物語

参考価格737円(税込)

WHY

衝撃のラストにあなたの見る世界は『透きとおる』。

大御所ミステリ作家の宮内彰吾が死去した。宮内は妻帯者ながら多くの女性と交際し、そのうちの一人と子供までつくっていた。それが僕だ。「親父が『世界でいちばん透きとおった物語』という小説を死ぬ間際に書いていたらしい。何か知らないか」宮内の長男からの連絡をきっかけに始まった遺稿探し。編集者の霧子さんの助言をもとに調べるのだが――。予測不能の結末が待つ、衝撃の物語。

23位

講談社

一線の湖

参考価格1,881円(税込)

WHY

小説の向こうに絵が見える!美しき水墨画の世界を描いた物語

主人公・青山霜介が、ライバル・千瑛と湖山賞を競い合った展覧会から2年が経った。大学3年生になった霜介は水墨画家として成長を遂げる一方、進路に悩んでいた。卒業後、水墨の世界で生きるのか、それとも別の生き方を見つけるのか。優柔不断な霜介とは対照的に、千瑛は「水墨画界の若き至宝」として活躍を続けていた。千瑛を横目に、次の一歩が踏み出せず、新たな表現も見つけられない現状に焦りを募らせていく霜介。そんな折、体調不良の兄弟子・西濱湖峰に代わり、霜介が小学一年生を相手に水墨画を教えることになる。子供たちとの出会いを通じて、向き合う自分の過去と未来。そして、師匠・篠田湖山が霜介に託した「あるもの」とはーー。

本のソムリエたちに聞いた!ぜひ読んでほしいおすすめ作品

ここでは、読書の案内人が、あなたに読んでほしいとっておきの一冊を提案。豊富な読書経験から厳選した押さえておきたいおすすめ作品をお届けします。

文藝春秋

革命前夜

参考価格968円(税込)

WHY

第18回大藪春彦賞受賞作!革命と音楽が紡ぎだす歴史エンターテイメント

バブル期の日本を離れ、ピアノに打ち込むために東ドイツのドレスデンに留学した眞山柊史。留学先の音楽大学には、個性豊かな才能たちが溢れていた。中でも学内の誰もが認める二人の天才が──

正確な解釈でどんな難曲でもやすやすと手なづける、イェンツ・シュトライヒ。奔放な演奏で、圧倒的な個性を見せつけるヴェンツェル・ラカトシュ。

ヴェンツェルに見込まれ、学内の演奏会で彼の伴奏をすることになった眞山は、気まぐれで激しい気性をもつ彼に引きずり回されながらも、彼の音に魅せられていく。

専門家からのコメント

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団長

本のソムリエ

小説を読む醍醐味の1つは、自分の知らない世界、未知への扉を手軽に開いてくれること。はるか昔にも、想像もつかない未来にも連れていってくれます。この作品の舞台は、ベルリンの壁崩壊直前の冷戦下の東ドイツ。日本から音楽留学にやって来たピアニストの主人公が、人間としても、音楽家としても多くの壁にぶつかり、もがきます。当時の東ドイツは今のドイツともかなり違いますし、もちろん日本とは、もっと違う。自分が無力で、ちっぽけに思えてならない中、どう生きるのか。多くの学びと気づきを与えてくれる歴史エンターテインメントです。

晶文社

コミック・ヘブンへようこそ

参考価格2,156円(税込)

WHY

温かい視線とユーモアを交えながらSF、ホラー、コメディまで、韓国文学界の新鋭作家が放つ傑作短編集。

本書に登場するのは今日も何事もなく生きていくために奮闘する、私たちの周りの特別でない人たち。

24時間営業の地下マンガ喫茶での夜勤中に絶体絶命の危機を経験し(「コミック・ヘブンへようこそ」)、がん患者がかつらを探しに行き(「秋夕目前」)、つらい毎日を送る売れない俳優に奇跡が起こり(「ほとんど永遠に近いレスリー・チャンの全盛期」)、兵役中のボーイフレンドを待つ女性たちが集まったインターネットコミュニティに没頭することもある(「IDはラバーシュー」)。

専門家からのコメント

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塚本 顕成

SOCIALDIA主宰、会社員

ハン・ガンのノーベル文学賞受賞で、何度目かの韓国文学ブームが訪れている。日本語の翻訳は非常に充実しているが、なかなか縁遠く感じてしまい本に手が伸びない……そんな方におすすめしたいのが傑作短編集『コミック・ヘブンへようこそ』。暇なマンガ喫茶「コミック・ヘブン」を今日も辞めたいと思いながら働いている主人公キョー。監視カメラによる店長の監視をかいくぐりながらアイパッドで漫画を描く彼女にバイト史上最大の危機ー半地下の店の水没ーが訪れる。ユーモアの中に絶望と希望が詰まっている表題作を、韓国文学の入り口として楽しんでいただきたい。

‎鴎出版

ウィーン、わが夢の街

参考価格2,475円(税込)

WHY

1900年ウィーン、出会いと「夢」の物語。

語り手の「私」は元外務省高官。1945年、東京大空襲の日、屋敷にひとり残っている「私」は空襲の轟音のなかで、懐かしいメロディを聞いたような幻聴を覚える。それは「ウィーン、わが夢の街」というウィーンの昔の流行歌だった。その歌を聞きながら、「私」は1900年のウィーンで過ごした短いが濃密な日々のことを思い出すのだった。

専門家からのコメント

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hiro

BOOKS HIRO店主

『ウィーン、わが夢の街――フロイトと熊楠』は、ドイツ語・ドイツ文学研究者の平山令二さんが書かれた本なので難しい本かと思いがちだが、その予想は良い意味で裏切られた。なんと、途轍もなく面白い。

この本は、フィクションである。南方熊楠(1867年(慶応3年) - 1941年(昭和16年))が1900年にロンドンからウィーンに行き、フロイト(1856年 - 1939年)に出会って互いに意気投合し大活躍するという筋書きである。

フランツ・ヨーゼフ一世 (オーストリア皇帝)も良いおじいさんとして描かれる。帝国経営に悩む老皇帝の夢解きをして元気づけるフロイトを、熊楠が助ける。このあと、現実世界では2つの世界大戦が起き、フロイトも熊楠も不遇の中で生涯をおえることになる。

ところがこの本のなかでは、1900年のウィーンはまだ夢のように美しく文化の華咲く都会であり、その夢のウィーンで、まだ若いフロイトも熊楠も生き生きと活動する。その夢うつつの世界の描写が見事である。熊楠ファンもフロイト好きも惹きつけられるだろう。

文藝春秋

イッツ・ダ・ボム

参考価格1,599円(税込)

WHY

森見登美彦さんが「もはやズルい」と、 米澤穂信さんが「夜の光を放つ、ささやかで切実な犯罪小説――圧倒的だった」と 激賞した鮮烈なデビュー作!

「日本のバンクシー」と耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭・ブラックロータス。

公共物を破壊しないスマートな手法で鮮やかにメッセージを伝えるこの人物の正体、そして真の思惑とは。うだつの上がらぬウェブライターは衝撃の事実に辿り着く。

専門家からのコメント

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サトウクリ

読書会主宰者

グラフィティライター(街の壁や電柱に名前や絵柄を描く人のこと)は夜の街に潜む犯罪者なのだろうか?それとも孤高のアーティストなのだろうか?彼らの精神性は、夜のストリートで発揮され、軽犯罪になりかねない落書きにシグナルを残す。地位も名誉もお金もいらない魂の叫びであり存在意義としての証なのだ。

本書はそんな多面性のあるグラフィティライターのブラックロータスとテエルの話を二部構成で書いている。第一部はウェブライター・大須賀アツシが新鋭のブラックロータスの正体を熱心に追う話。第二部はテエルが謎の青年と出会ったことでストーリーが展開していく。クールな青春小説として抜群にセンスが良く、ストリートアートの世界観が見事に描かれている。デビュー作にして第31回松本清張賞を受賞した作品!

ちなみに本の装丁写真は実際の『イッツ・ダ・ボム』のグラフィティだ。文藝春秋本社ビルの地下駐車場の壁に描かれている。

岩波書店

モモ

参考価格880円(税込)

WHY

時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語。エンデの名作。

モモに話を聞いてもらうと硬くなった心が柔らかくなり悩みが消えていく……。不思議な力を持つモモは、街の人にとってかけがえのない存在になっていくのでした。

ところがある日、街に「灰色の男たち」が現れます。

「時間を貯蓄銀行に貯めると命が倍になる」と言う彼らのせいで、町の人々から「時間」が奪われてしまい――。

専門家からのコメント

のーさんのプロフィール画像

のーさん

彩ふ読書会主催

灰色の男がそろりそろりとやってくる……。仕事や学業に追われて「時間がない!忙しい!」って思ってしまう時にこそ読んでほしい一冊。小学5、6年生を対象とした児童文学ですが、大人になってからこの本を読むと、自分自身がいかに時間に囚われているかに気づきハッとします。円形劇場で暮らすモモは町の人々と関わりながら平和な暮らしを送っていましたが、灰色の男たちの手によって変化が起こります。モモや仲間たちは一体どうなるのか。ハラハラ、ドキドキ、ワクワクする展開で、きっと時間を忘れて夢中で読んでしまうことでしょう。私が年に一回は読むようにしている激推し本です。

まとめ

ベテラン作家から新鋭まで、多彩な才能による作品が揃う豊かな一年でしたね。ランキング上位には、『成瀬は信じた道をいく』や『変な家』など、読者の心を掴んで離さない作品が名を連ね、それぞれが独自の世界観と確かな物語力で多くの読者を魅了しています。

また、本のソムリエや専門家たちが選んだ作品群からは、「革命前夜」や「モモ」など、時代や国境を越えて普遍的な価値を持つ傑作との出会いも期待できます。これらの作品は、単なる娯楽を超えて、私たちの人生に新たな視点や気づきを与えてくれるでしょう。

あなたの興味や好みに合わせて、このリストから次に読む1冊を選んでみてはいかがでしょうか。それぞれの物語が織りなす豊かな読書体験が、きっとあなたの世界をより一層広げてくれるはずです。

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