【2025年】邦画のおすすめ85選！編集部おすすめ今年上映の作品も紹介

『舟を編む』は、2012年本屋大賞第1位を獲得した三浦しをん原作のベストセラー小説を映画化した作品。第86回アカデミー賞外国語映画部門で日本代表にも選ばれた感動作です。主人公・馬締光也は、不器用ながらも言葉への情熱を持つ青年。ひとつの辞書を完成させるまでの15年にわたる壮大なプロジェクトと、仲間たちとの絆、そして恋の行方を描きます。地味と思われがちな辞書作りの世界が、これほどまでにドラマチックで面白いと気づかせてくれる、知的で温かなエンターテインメントです。

是枝裕和監督による『万引き家族』は、第71回カンヌ国際映画祭で最高賞・パルムドールを受賞した話題作。一見すると犯罪に手を染める家族が描かれますが、その本質は「つながりとは何か」「家族とは何か」を深く問いかけるヒューマンドラマです。血のつながりではなく、心のやり取りで築かれる絆。東京の片隅で寄り添い合って生きる人々の姿を通して、見る者の価値観を揺さぶります。リリー・フランキーや安藤サクラ、樹木希林らが繊細な演技で支える、静かで力強い傑作です。

『ミッドナイトスワン』は、草彅剛がトランスジェンダーの主人公・凪沙を演じることで大きな話題となったヒューマンドラマ。新宿で生きる凪沙が、育児放棄された少女・一果と出会い、奇妙な共同生活を始める中で「母になる」という感情を初めて抱くようになります。心と体のギャップに悩みながらも、誰かを愛し守りたいという真っ直ぐな想いに胸を打たれる作品です。血のつながりではなく、選び取る“家族”の在り方を描いた、深い愛の物語となっています。

『ドライブ・マイ・カー』は、村上春樹の短編小説を原作に、濱口竜介監督が自ら脚本を手がけた長編映画。妻を亡くした俳優・家福が、寡黙な女性ドライバーとの時間を通じて、深い喪失と向き合いながら再生へと向かう姿を描いています。演劇「ワーニャ伯父さん」と物語が交錯する構成や、広島をはじめとした印象的な風景が心に残る本作は、カンヌ国際映画祭で日本映画初の脚本賞を含む4冠に輝いた話題作。静かに、しかし力強く心を揺さぶる珠玉の179分です。

『桐島、部活やめるってよ』は、朝井リョウの同名小説を原作に、吉田大八監督が手がけた青春群像劇。高校のヒエラルキーを象徴する存在・桐島が突然部活を辞めたことから、周囲の人間関係がじわじわと崩れていく様を描いています。物語の中心にいない桐島の不在が、登場人物たちの価値観や居場所を揺さぶり、静かながらも緊張感あふれる展開に。神木隆之介、橋本愛ら実力派若手俳優の演技が光り、第36回日本アカデミー賞で最優秀作品賞ほか3部門を受賞した話題作です。

『八日目の蝉』は、角田光代の同名小説を原作に、母性のかたちと人間の業を描いたヒューマンサスペンス。子を持てなかった女性・希和子が誘拐した少女を愛情深く育てた4年間と、その事実を知って心を閉ざして生きる恵理菜の21歳の姿が交錯します。過去を抱えながら、自分の人生を選び直そうとする若き女性の葛藤が胸を打つ作品。主演の井上真央と永作博美が繊細な演技で“母と娘”の複雑な関係性を体現し、観る者に深い余韻を残します。

『ALWAYS 三丁目の夕日’64』は、昭和39年の東京を舞台に、人情味あふれる下町の人々の暮らしを描いた人気シリーズの第3作。東京オリンピックを目前に控え、日本中が希望と活気に満ちていた時代。茶川家には新たな命が宿り、鈴木オートは順調に成長。登場人物たちが人生の節目を迎える中、それぞれの絆や想いが交差していきます。シリーズ初の3D映像で再現された懐かしの風景と、時代に寄り添うあたたかな物語が心を和ませてくれる一本です。

『そして、バトンは渡された』は、4回も名字が変わりながら生きてきた少女・優子の成長と、自由奔放な女性・梨花の人生が交差する感動作。料理上手な義父・森宮と暮らす優子は、日々の悩みを抱えつつも、周囲の愛に支えられながら歩んでいきます。一方、母としての愛を注ぎながらも娘を残して姿を消す梨花――その理由と想いが、後に明かされていく展開が胸を打ちます。家族とは何か、大切なものとは何かを問いかける、あたたかくて切ない物語です。

『そして父になる』は、是枝裕和監督が“家族の本質”を静かに問う感動作。ある日、病院から「出生時に子どもが取り違えられていた」と告げられたエリート会社員・良多は、愛情を注いできた息子が“血のつながらない子”だったことを知り、葛藤します。相手の家庭との交流や、息子との関係を見つめ直す中で、良多がたどり着いた“父親”の意味とは何か。深いテーマながらも丁寧な描写で心にしみる本作は、第66回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、国内外で高い評価を得ました。

『朝が来る』は、辻村深月の同名小説を原作に、是枝裕和監督が描くサスペンス要素を含んだヒューマンドラマ。子どもを望むも叶わなかった夫婦・栗原佐都子と清和が選んだのは“特別養子縁組”という道。数年後、育ての親として穏やかな日々を送っていたある日、「子どもを返してほしい」という一本の電話が届き、平穏な生活が一変します。母になりたい女性たちの選択と葛藤が交差し、見えてくるのは“本当の親”とは誰なのかという問い。重くも優しい余韻が残る感動作です。

『WOOD JOB！』は矢口史靖監督が直木賞作家・三浦しをんの小説を映画化した青春エンターテインメント。大学受験に失敗し、落ち込む主人公・平野勇気が、林業研修プログラムに参加し田舎の神去村で過酷な現場に直面。ケータイの電波も届かない自然の中での挑戦や、出会いを通じて成長していく姿を描く。主演は染谷将太、共演に長澤まさみ、伊藤英明。自然の厳しさと人とのつながりが胸に響く作品。

『フラガール』は福島県いわき市の常磐ハワイアンセンター誕生にまつわる実話をもとにした感動ドラマ。炭鉱閉鎖による町の危機を救うため、未経験の女性たちがフラダンスに挑戦し、新たな希望を見出していく。松雪泰子が元プロダンサー役を熱演し、蒼井優ら共演。ウクレレ奏者ジェイク・シマブクロの音楽も魅力。第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか多数受賞。笑顔と絆が輝く青春群像。

『湯を沸かすほどの熱い愛』は、中野量太監督の商業映画デビュー作で、宮沢りえが主演を務めたヒューマンドラマ。余命宣告を受けた母・双葉が、家族のために「絶対にやっておくべきこと」を決意し、失踪した夫の帰宅や銭湯の再開、娘の自立支援に取り組む姿を描く。杉咲花、オダギリジョーらが共演し、温かさと強さが共存する物語。家族の絆と愛の深さを静かに伝える作品。

『光のお父さん』は、仕事一筋だった父が突然会社を辞め、家族との距離ができた中、息子アキオがオンラインゲーム「ファイナルファンタジー」を通じて父との絆を取り戻そうとする物語。顔も本名も隠しながらゲームの世界で共に冒険し、父の知られざる一面や家族の本音に触れていく。温かくもリアルな親子関係を描いた感動作。

『チア☆ダン』は福井県立福井商業高校チアリーダー部の実話をもとにした映画。広瀬すず演じる女子高生・友永ひかりが、スパルタ指導の顧問・早乙女薫子のもと、全米大会優勝を目指して奮闘する姿を描く。おでこ出し厳守、恋愛禁止の厳しいルールの中、仲間と絆を深めながら挑戦を続ける青春ストーリー。中条あやみ、天海祐希らも共演。熱い感動が詰まった一作。

『アフタースクール』は内田けんじ監督によるサスペンス・コメディ。母校の教師・神野の元に現れた見知らぬ男が、同級生の親友を探していると告げ、神野は捜索に巻き込まれていく。緻密に練られた脚本と巧みな構成で笑いと意外な展開が絶妙に絡み合う。カンヌで4冠を獲得した監督の才能が光る、一度観たら目が離せない作品。

『明け方の若者たち』は、WEBライター・カツセマサヒコの小説を映画化。主演の北村匠海が、大都会・東京で人生の葛藤や初恋に揺れる若者を演じる。退屈な飲み会で出会った“彼女”に恋をしながらも、社会人になって夢とのギャップに苦しむ様子をリアルに描写。黒島結菜や井上祐貴も共演し、現代の若者たちの複雑な心情を丁寧に映し出す。等身大の青春群像劇。

『リンダリンダリンダ』は山下敦弘監督が高校生活最後の文化祭で「ザ・ブルーハーツ」のコピーバンドに挑む少女たちの奮闘を描いた青春映画。ボーカル脱退で窮地に立たされた軽音楽部の3人が韓国人留学生ソンを迎え入れ、練習を重ねて絆を深めていく。ペ・ドゥナら多彩なキャストと、スマッシング・パンプキンズのジェームズ・イハの音楽が彩る一作。友情と音楽の熱気が溢れる感動作。

『セトウツミ』は人気漫画を実写化。池松壮亮と菅田将暉が演じる関西弁の高校生2人が、放課後の川辺でまったりと繰り広げるシニカルな会話が魅力の作品。大森立嗣監督が手掛け、塾通いの内海と元サッカー部の瀬戸という対照的な2人のやり取りを通じて、ゆるくも深い青春の一面を映し出す。中条あやみもヒロイン役で出演。独特の間と軽妙な会話がクセになる青春ドラマ。

松本大洋の名作コミックを実写映画化した『ピンポン』は、卓球に打ち込む高校生たちの情熱と成長、そして友情を描いた青春ドラマ。天真爛漫なペコ（窪塚洋介）とクールなスマイル（井浦新）は幼なじみの卓球コンビ。才能に恵まれながらも練習をサボりがちなペコが挫折を経験し、スマイルは秘めた実力を開花させていく。ライバルや恩師との出会いを通じて、2人の関係や自我が揺れ動く姿が丁寧に描かれる。脚本は宮藤官九郎、監督は曽利文彦。斬新な映像表現も見どころ。

明大前で終電を逃した夜、偶然出会った麦（菅田将暉）と絹（有村架純）。好きな音楽、映画、本——すべてが奇跡のように重なり、2人はすぐに恋に落ちる。大学卒業後はフリーターをしながら同棲生活を始め、何気ない日々にささやかな幸せを見つけていく。しかし、時が経ち、それぞれの未来や現実が2人の間に静かに変化をもたらす。『東京ラブストーリー』脚本の坂元裕二が描く、“恋する月日”の煌めきと切なさを詰め込んだ、心揺さぶる5年間のラブストーリー。共感と涙が止まらない、現代の恋愛映画の傑作。

角田光代の同名恋愛小説を今泉力哉監督が映画化。28歳のOL・テルコ（岸井ゆきの）は、5カ月前に出会ったマモル（成田凌）に一目ぼれ。彼のためなら仕事も友情も後回し。どんなときも“彼優先”の毎日を送るテルコだったが、マモルにとって彼女はただの“都合のいい女”。恋人にはなれないと知りながらも、テルコは自分の想いを止められず、苦しくも切ない片思いの日々が続く。片思いの純粋さと痛みをリアルに描き、見る者の心を揺さぶる、大人のための恋愛映画。誰かを想いすぎるすべての人に贈る、共感度100％のラブストーリー。

吉田修一の青春小説を、「南極料理人」の沖田修一監督が映画化。舞台は1980年代、長崎から大学進学のために上京したお人好しの青年・横道世之介（高良健吾）。都会の生活に戸惑いながらも、社長令嬢・祥子（吉高由里子）との恋や、個性豊かな仲間たちとの交流を通して、ゆっくりと青春の時間を刻んでいく。何気ない日常の断片を丁寧にすくい上げ、誰の胸にもある“あの頃”を思い出させてくれるハートフルストーリー。笑って泣いて、じんわり心があたたかくなる、優しさに満ちた青春映画。

山崎ナオコーラの文藝賞受賞作を、松山ケンイチ×永作博美×蒼井優の豪華共演で映画化した、年の差ラブストーリー。美術学校に通う19歳のみるめは、20歳年上の講師・ユリとふとしたきっかけで関係を持つ。初めての恋にのめり込むみるめだったが、ユリには夫がいた――。年齢差、立場、道徳を超えて揺れ動く感情を、繊細でリアルなタッチで描き出す。監督は「犬猫」の井口奈己。ゆらぐ恋心に、誰もが共感せずにはいられない。これは“不完全な恋”を描いた、優しく切ない青春の記録。

韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」を、大根仁監督が日本版として再構築した感動の青春音楽映画。90年代に青春を共にした女子高生グループ「サニー」のメンバーたちが、20年以上の時を経て再び集まる。末期がんの親友・芹香の願いをきっかけに、専業主婦となった奈美がかつての仲間たちを探し始める。青春時代と現在を交錯させながら、友情、笑い、涙が詰まった日々を描く。主演は篠原涼子と広瀬すず。90年代J-POPの名曲が、胸を熱くするノスタルジックな感動を呼び起こす。

行定勲監督が片山恭一のベストセラー小説を映画化し、“セカチュー”ブームを巻き起こした純愛映画の金字塔。婚約者の失踪をきっかけに故郷・四国を訪れた朔太郎が、かつて愛した少女アキとの切ない記憶をたどる。高校時代の淡い恋、白血病に倒れるアキ、そして過去と向き合う現在の朔太郎。時を超えて交錯するふたつの愛の物語が、観る者の心を深く揺さぶる。森山未來と長澤まさみによる瑞々しい青春、柴咲コウと大沢たかおの静かな大人の演技が光る、永遠に語り継がれるラブストーリー。

住野よるのベストセラー小説を映画化した、涙と感動の青春ドラマ。膵臓の病を抱えた少女・山内桜良と、名前も知られない「僕」が過ごした、かけがえのない日々。死期を悟りながらも明るく生きる桜良と、彼女と出会ったことで変わっていく「僕」の心の成長を描く。12年後、教師となった「僕」と、桜良の親友・恭子がそれぞれに思い出をたどる構成が、過去と現在をつなぎ合わせる。タイトルからは想像もできない温かな物語が、多くの人の心を打つ。小栗旬、北川景子、浜辺美波、北村匠海ら豪華キャストが織りなす、儚くも美しい青春の記憶。

市川拓司の大ヒット純愛小説を映画化した、感動のファンタジーラブストーリー。妻に先立たれた巧の前に、梅雨のある日、亡くなったはずの妻・澪が突然現れる。記憶を失った彼女と、戸惑いながらも心を通わせていく巧と6歳の息子。奇跡のような再会と、家族3人で過ごす短い時間が、やがて深い絆と永遠の宝物を残していく。雨の季節に訪れた一瞬の奇跡が、静かに優しく心に響く物語。竹内結子と中村獅童が織りなす、涙なしには観られない愛の物語。

芥川賞作家・綿矢りさの同名小説を映画化した、笑って泣ける異色の恋愛コメディ。恋愛経験ゼロのOLヨシカは、中学時代の初恋相手「イチ」に10年間片思い中。そんな彼女に突然、同期の「ニ」から告白される。理想に生きる脳内ロマンスと、現実の恋のはざまで揺れ動くヨシカは、「私には彼氏が2人いる！」と暴走気味に錯乱状態へ突入。奇想天外な嘘から始まる同窓会計画、そして再会の行方は？松岡茉優が等身大のヒロインを全力で体現し、観る者の共感と爆笑を誘う、共感度100％のラブ・コメディ！

『百円の恋』は、脚本家・足立紳が松田優作賞で初代グランプリを受賞した脚本をもとに、武正晴監督が映画化。不器用でどん底の生活を送る一子が、ボクシングを通じて自分を見つめ直し、再生していく姿を描く感動作です。離婚し実家に戻った妹との衝突や、深夜の100円ショップ勤務、そして中年ボクサーとの出会いを経て一子が成長する過程は多くの共感を呼びました。2014年東京国際映画祭で作品賞を受賞し、日本アカデミー賞では主演女優賞や脚本賞も獲得。女性の強さと優しさを丁寧に描き出した珠玉のヒューマンドラマです。

『罪の声』は、塩田武士の同名ミステリー小説を映画化し、小栗旬と星野源が初共演。昭和最大の未解決事件を追う新聞記者・阿久津と、父の遺品から事件に繋がるカセットテープを発見するテーラー店主・曽根の二人が、過去の謎と向き合います。監督は『麒麟の翼』や『ビリギャル』の土井裕泰、脚本は話題のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』の野木亜紀子が担当。昭和の事件をリアルに描きつつ、緻密な取材と人間ドラマが重なり合う構成が魅力です。日本アカデミー賞最優秀脚本賞も受賞した注目作。

湊かなえのサスペンス小説を映画化した『白雪ひめ殺人事件』は、美人社員の三木典子が殺害され、同期の城野美姫に疑惑がかかる物語。主演の井上真央を中心に、過熱するメディア報道やネット炎上、口コミが人々の心を翻弄していく様子をリアルに描きます。監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』『ゴールデンスランバー』の中村義洋。綾野剛や菜々緒ら豪華キャストが現代社会の光と影を映し出す、緊張感あふれるサスペンスドラマです。

角田光代のベストセラー小説を映画化した『紙の月』は、宮沢りえが7年ぶりに映画主演を務める作品。1994年、夫との関係に虚しさを感じる主婦・梨花が、年下の恋人のために銀行の預金に手をつけてしまう姿を繊細に描きます。監督は『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八。バブル崩壊直後の時代背景を通じて、日常の中の葛藤や誘惑、そして人間の弱さを浮き彫りにしました。東京国際映画祭や日本アカデミー賞で高く評価された話題作です。

宮部みゆきの長編ミステリー「ソロモンの偽証」前篇を映画化。1990年のクリスマス、校庭で男子生徒が転落死し警察は自殺と判断するが、生徒たちは納得せず、自ら真相解明のため学校内裁判を開く決意をする。後編では前篇の転落死事件を受け、問題児・大出俊次を被告にした子どもだけの校内裁判が開廷。検事役の藤野涼子と弁護人の神原和彦が真実を巡って激しく対峙し、思惑が絡み合う中で子どもたちの正義感と葛藤を丁寧に描写。緊迫感あふれる法廷ドラマが見どころで、若者の成長と真実追求の姿に胸を打たれる作品です。

東野圭吾の直木賞受賞作『容疑者Xの献身』は、「探偵ガリレオ」シリーズ第3作を映画化。残忍な殺人事件の捜査で、物理学者・湯川が天才数学者の石神と対峙する知的サスペンスです。内海刑事らおなじみのキャストが顔を揃え、友情と献身が交錯する緻密なストーリーを描き出します。監督は『県庁の星』の西谷弘が務め、事件の真相に迫る緊張感あふれる展開が見どころ。観る者を引き込む心理戦が魅力の名作です。

湊かなえの本屋大賞受賞作を映画化。松たか子演じる中学校教師・森口は、愛娘を学校のプールで亡くし、警察の事故死判断に納得できず、犯人はクラスメイトだと終業式で告白。クラス内に渦巻く疑念と恐怖が、予想外の展開を生み出す。中島哲也監督が描く、緊張感と心理戦に満ちたサスペンスドラマ。岡田将生や木村佳乃も共演し、深い人間ドラマが展開される。

白石和彌監督が櫛木理宇の小説を映画化。24件の殺人容疑で死刑判決を受けた元犯人から届いた手紙をきっかけに、大学生・雅也が真相を追う物語。事件の裏に隠された驚くべき事実と、心理的葛藤を繊細に描写。阿部サダヲと岡田健史が主演し、緊張感あふれるサスペンスが展開する。脚本は「そこのみにて光輝く」の高田亮が担当。

吉田修一原作を李相日監督が映画化。渡辺謙、松山ケンイチ、広瀬すずら豪華キャストが共演。顔を整形して逃亡した殺人犯の影が色濃く残る中、千葉、東京、沖縄で出会う謎の男たちの物語を描く。人間の複雑な感情や秘密、信頼と疑念が絡み合う群像劇で、観る者を引き込む心理ドラマに仕上がっている。

三部けいの人気コミックを藤原竜也と有村架純が実写化。突然現れた「リバイバル」という能力で、過去に戻り事件を防ぐ漫画家・悟の物語。母親の殺害をきっかけに、18年前の連続児童誘拐事件の謎に迫る。切迫したタイムリープの展開と深い人間ドラマが融合し、SFミステリーとして高い評価を得ている。監督は「ツナグ」の平川雄一朗。

誉田哲也の人気警察小説シリーズを原作に、竹内結子主演で描く劇場版。警視庁捜査一課の女性刑事・姫川玲子率いる班が連続殺人事件の謎に迫る。上層部の不可解な指示に抗いながら、独自に真相を追う姫川の熱い捜査を描くサスペンス。原作はシリーズ第4作「インビジブルレイン」。

甲斐谷忍の人気コミック原作、TVドラマ「ライアーゲーム」の劇場版。主演戸田恵梨香・松田翔太。謎の組織主催の騙し合いゲーム「ライアーゲーム」に巻き込まれた女子大生・直は、天才詐欺師・秋山と共に決勝戦「エデンの園ゲーム」に挑む。最強刺客「プレイヤーX」の存在が勝負の行方を左右する心理戦サスペンス。また次回作の再生（リボーン）では、主演の松田翔太以外のキャストをほぼ一新。原作で人気のエピソード「イス取りゲーム」を映像化し、復讐に燃えるゲーム出資者たちが仕かけるゲームに挑む天才詐欺師・秋山深一の姿を描く。秋山とともにゲームに挑む新ヒロイン・篠宮ユウ役に多部未華子が扮し、人気子役の芦田愛菜がゲームを仕切る事務局員役で自身初の悪役に挑む。

菅田将暉と「SEKAI NO OWARI」のボーカルFukaseが俳優デビューで共演。浦沢直樹作品の長崎尚志がオリジナル脚本を担当し、「世界から猫が消えたなら」「帝一の國」の永井聡監督が映画化。漫画家を目指す山城圭吾は、一家殺人事件の目撃後、犯人をキャラクターにした漫画「34」を描き大ヒット。だが、漫画の内容と酷似する事件が次々と起こり……。菅田は山城役、Fukaseは殺人鬼役を演じる。

老人介護のボランティアに訪れた理佳が、少年・俊雄と黒い影の女の幽霊に遭遇。やがて理佳が死体で発見され、その家では過去に起きた殺人事件と行方不明の少年の謎が絡み合う。関係者に次々と不幸が襲いかかり、怨念の呪いが深く静かに連鎖していく。恐怖と業の物語が徐々に明らかになる、ジャパニーズホラーの金字塔。

「リング」の原作者・監督コンビが再び挑むホラー。離婚後、新生活を始めた母・淑美と娘・郁子。引っ越したマンションで不可解な足音や水漏れに悩まされる中、郁子が拾った子供用バッグから未解決の幼女失踪事件の真実が浮かび上がる。母性をテーマにした深い恐怖と感動が交錯する一作。主演は黒木瞳のホラー初挑戦。

鈴木光司のベストセラー小説を原作に、「女優霊」の中田秀夫監督が映画化。ジャパニーズホラーブームの先駆けとなった作品で、呪いのビデオを見た者が次々と不可解な死を遂げる惨劇を描く。テレビディレクター浅川玲子は、そのビデオの謎を追うが、自身も呪いに巻き込まれていく。2002年にはハリウッドでリメイクもされた。

小野不由美の第26回山本周五郎賞受賞ホラー小説を、「予告犯」「白ゆき姫殺人事件」の中村義洋監督が映画化。小説家の「私」と女子大生の久保さんが、奇妙な音が響く部屋の謎を調査。過去の住人が次々と悲劇に見舞われたその部屋には、なぜか直接ではなく別の場所で起きる不幸の連鎖があった。徐々に明かされる真相とさらなる恐怖が襲いかかる。主演は竹内結子、橋本愛ほか、佐々木蔵之介、坂口健太郎ら豪華キャストが共演。

「嫌われ松子の一生」「告白」「渇き。」の中島哲也監督が、岡田准一主演で映画化したホラー。幸せな新婚生活を送る田原秀樹のもとに、娘の名前を知る謎の来訪者が現れ、取り次いだ後輩が謎の死を遂げる。2年後、不可解な出来事が続き、霊感を持つ真琴が強大な霊的存在に立ち向かう。黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡ら豪華キャストが顔をそろえる。

「呪怨」シリーズの清水崇監督が福岡の心霊スポット「犬鳴トンネル」を舞台に描くホラー映画。臨床心理士・森田奏（演：三吉彩花）の周囲で起こる奇妙な出来事と、犬鳴トンネルにまつわる謎。奏は不可解な連続事件の真相を探るため、恐怖の犬鳴村へ足を踏み入れる。坂東龍汰、大谷凛香、奥菜恵ら豪華キャスト共演。

百田尚樹のベストセラー小説を、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズの山崎貴監督が岡田准一主演で映画化。司法試験に落ち続ける青年・健太郎が、太平洋戦争の特攻隊員だった本当の祖父・宮部久蔵の人生を追い、生きることへの執着と特攻に志願した理由を探る。三浦春馬、井上真央も出演し、興行収入87億6000万円を記録。第38回日本アカデミー賞で主要8部門を受賞した感動巨編。

高見広春の同名小説を、「仁義なき戦い」の深作欣二監督が映画化した衝撃の青春バイオレンスアクション。全国から選ばれた中学生のクラスが無人島で殺し合いを強いられる「BR法」により、城岩中学校3年B組の生徒たちが生き残りをかけた戦いに挑む。北野武が鬼教師キタノを迫真の演技で熱演し、社会現象を巻き起こした問題作。

有川浩のベストセラー小説を実写映画化。メディア良化法により検閲が横行する日本で、良書を守る自衛組織「図書隊」の女性隊員・笠原郁が、鬼教官・堂上篤の指導のもと図書特殊部隊に配属され、仲間たちと共に理不尽な検閲に立ち向かう。主演は岡田准一と榮倉奈々。監督は「GANTZ」シリーズの佐藤信介。緊迫のアクションと胸を打つ恋愛模様が描かれる。

和月伸宏の人気剣客漫画「るろうに剣心 明治剣客浪漫譚」を実写映画化。伝説の人斬り抜刀斎こと緋村剣心は、明治維新後に「殺さず」の誓いを立て、逆刃刀を携えて流浪の旅を続ける。佐藤健が剣心を、武井咲がヒロインの神谷薫を演じ、大友啓史監督が監督を務める。激しい剣劇と人間ドラマが融合した歴史アクション。

『東京リベンジャーズ』は、人生どん底の主人公・タケミチがタイムリープの能力に目覚め、かつての仲間たちの命を救うために過去と現在を奔走する青春ヤンキー×SFアクション。暴走族の抗争や友情のドラマを、緻密なストーリー展開とスピード感あふれる演出で描きます。実写版ではキャラクターたちの熱量を実力派俳優陣が見事に体現。バトルと涙のバランスが絶妙で、原作ファンも納得の映像化です。

『HiGH&LOW』は、EXILE TRIBEを中心としたキャスト陣が織りなすオリジナルアクションプロジェクト。SWORD地区を舞台に、個性豊かなチームたちの対立や絆を描いた群像劇です。アクションシーンは本格派で、ダンスのような動きや爆発シーンなど見どころ満載。シリーズを追うごとにストーリーは広がり、音楽・映像・ファッションといったカルチャー要素も融合。エンタメとしての完成度が高く、観る人を熱狂させます。

髙橋ヒロシの人気不良漫画『クローズ』の前日譚を実写化した『クローズZERO』。滝谷源治（小栗旬）が転校先の鈴蘭高校で頂点を目指し、数多のライバルと激突していく物語です。泥臭さと不器用さがにじむ男たちの生き様を、骨太なアクションと心情描写で表現。荒々しい戦いのなかにも青春の痛みや絆が描かれ、単なる不良映画に留まらない深みがあります。続編含めて一気見したくなる完成度です。

『ザ・ファブル』は、伝説の殺し屋“ファブル”が1年間誰も殺さず普通の生活を送るという奇想天外な設定のアクションコメディ。岡田准一が演じる主人公は、圧倒的戦闘力を持ちながらも天然キャラというギャップが魅力です。ハードなアクションとユーモアの絶妙なバランスで、緊張と笑いが共存する展開に引き込まれます。登場人物たちのクセの強さもクセになる要素。意外性とスカッと感を求める人におすすめです。

原泰久原作の大ヒット漫画を実写化した『キングダム』は、戦国時代の中国を舞台に、下僕出身の少年・信が夢に向かって駆け上がる英雄譚。圧巻のスケールで描かれる戦闘シーンと、壮大な人間ドラマが融合した歴史アクション大作です。山﨑賢人をはじめとする豪華キャスト陣が、個性豊かなキャラクターたちを熱演。原作の世界観を大切にしながらも、映画ならではの臨場感ある映像表現で、初心者でも没入しやすい構成になっています。

『戦場のメリークリスマス』は、第二次世界大戦下のジャワ島捕虜収容所を舞台に、東洋と西洋、軍人と捕虜、それぞれの価値観がぶつかり合う中で芽生える人間関係を描いた作品。大島渚監督が手がけ、デヴィッド・ボウイと坂本龍一の共演が話題に。坂本自身による印象的な音楽は、映画の緊張感と哀しみをより一層引き立てます。戦争映画でありながら、静かな人間性の光を描いた異色作として、今なお語り継がれる一本です。

『モテキ』は、突然訪れた「モテ期」に戸惑いまくる草食系男子・藤本幸世の恋と成長を描いたラブコメディ。森山未來のリアルで人間くさい演技が光り、ヒロインたちとのテンポのよいやりとりが絶妙。音楽の使い方も印象的で、カルチャー好きの心にも刺さります。恋愛の高揚感や失敗の痛みをユーモラスに包み込みながら、ラストにはどこか前向きな気持ちになれる仕上がり。笑って泣ける“等身大男子”の青春映画です。

『カメラを止めるな！』は、低予算・無名キャストから大ヒットを記録した異例のゾンビ映画。前半はワンカット風のゾンビ作品として展開しながら、後半でその裏側を描くことで、観る者の視点を180度変える構成が話題に。笑いあり涙ありの“映画愛”が詰まった作品で、演劇的な面白さと映画作りの裏側の苦労がユーモアたっぷりに描かれています。伏線回収の気持ちよさと驚きに満ちた一作。何も知らずに観るのが正解です。

三谷幸喜監督による『ザ・マジックアワー』は、街のボスを騙すために“伝説の殺し屋”のフリをさせられた売れない俳優が巻き起こすドタバタ劇。佐藤浩市の怪演が光り、虚構と現実が交錯する中で徐々に本物の覚悟が生まれていく姿が胸を打ちます。舞台劇的なテンポの良さと、細部まで作り込まれた演出が魅力。嘘から始まる感動と笑いにあふれたストーリーで、ラストまで一気に楽しめるエンタメ映画です。

『鍵泥棒のメソッド』は、記憶を失った殺し屋と売れない役者が入れ替わってしまうことから始まる、予測不能なコメディサスペンス。香川照之と堺雅人のキャラクターが対照的で、それぞれの立場で“他人の人生”を必死に生きようとする姿がじわりと心に残ります。内田けんじ監督ならではの緻密な脚本とユーモアで、笑いながらも人生の皮肉とあたたかさを感じられる一本。軽妙ながらもしっかり楽しめる作品です。

『トリック』は、自称天才マジシャンと天才物理学者が、インチキ超能力者や霊能者の“謎”を暴く痛快ミステリーコメディ。仲間由紀恵と阿部寛の絶妙な掛け合いが人気を集め、ドラマから映画へと発展した長寿シリーズです。超常現象の裏に潜む“人間の欲”を、ユーモアと皮肉を交えて描く点が大きな魅力。小ネタ満載の会話劇と奇抜な世界観にハマる人も多く、クセになること間違いなしの一本です。

『テルマエ・ロマエ』は、古代ローマの浴場設計士ルシウスが現代日本の風呂文化にタイムスリップする、異文化ギャップ満載のコメディ。阿部寛演じるルシウスの真面目さと、現代の温泉・銭湯文化との対比が絶妙です。風呂を通じて時代も文化も超えるユニークな展開がクセになり、誰でも笑って楽しめる内容に仕上がっています。日本の風呂文化の奥深さを、笑いとともに再発見できる作品です。

三谷幸喜監督による政治コメディ『記憶にございません！』は、演説中に石を投げられ、記憶を失った総理大臣が主人公。権力の中枢にいながら“何も知らない”という状況が、笑いと皮肉を生み出します。中井貴一が演じる総理は、記憶をなくしたことでむしろ“良い政治”に目覚めていくという皮肉な展開に。テンポよい脚本と個性派キャストの掛け合いで、最後まで飽きずに楽しめる爽快な一本です。

『翔んで埼玉』は、埼玉県民が東京都民から“通行手形”を強いられるという架空のディストピアを舞台にした、痛快ご当地コメディ。魔夜峰央原作の世界観を、二階堂ふみ＆GACKTの怪演で見事に映像化。埼玉をとことんネタにしながらも、最後には「地元愛っていいな」と思わせてくれる構成が絶妙です。ご当地ディスを笑いに変えた、唯一無二のエンタメ作品。全国の県民にも刺さる面白さです。

『殿、利息でござる！』は、江戸時代に実際にあった“庶民が藩にお金を貸して利息を得た”という逸話をもとにした時代劇。阿部サダヲ演じる町人たちが、破綻寸前の町を救うために奮闘する姿が描かれます。コミカルな語り口ながら、実話ベースの重みと人情がにじむ仕上がり。豪華キャストが揃い、歴史劇にありがちな堅さを払拭。経済の仕組みを時代劇で楽しく学べる、意外性のある一本です。

『ゴジラ-1.0』は、戦後間もない日本を舞台に、国力ゼロの中でゴジラが襲来するという未曽有の危機を描いた特撮大作。徹底的なリアリズムと重厚なドラマ構成により、これまでのシリーズとは一線を画す衝撃作となっています。VFXによるゴジラの圧倒的迫力と、極限状態の中で人間がどう立ち向かうのかという心理描写が高く評価されています。怪獣映画でありながら、戦争と再生を描いた人間ドラマとしても必見です。

庵野秀明が脚本・総監督を務めた『シン・ゴジラ』は、ゴジラを“未曾有の災害”として描いた社会派SF映画。現代の日本がゴジラに襲われたらどう対処するのかを、政治・官僚・自衛隊それぞれの視点からリアルに描写。無機質なまでに巨大で変態的な進化を遂げるゴジラの存在が、圧倒的な恐怖を生み出します。会議シーンすらスリリングに見せる脚本と演出で、日本映画に新風を吹き込んだ異色の怪獣映画です。

『シン・ウルトラマン』は、庵野秀明企画・樋口真嗣監督による特撮リブート作品。原作の精神を現代に昇華させつつ、人類と異星人の関係やヒーローの在り方を深く掘り下げた構成が特徴です。巨大生物“禍威獣”の出現により混乱する日本社会の中に突然現れるウルトラマン。無機質ながらもどこか人間的なヒーロー像と、科学技術と倫理のせめぎ合いを描くドラマ性が魅力。昭和世代も令和世代も惹きつける新たな特撮体験です。

『ガメラ2 レギオン襲来』は、怪獣ガメラが謎の宇宙生物“レギオン”と壮絶なバトルを繰り広げるシリーズ第2作。自衛隊のリアルな描写や市街戦のスケール感が高く評価され、90年代怪獣映画の傑作と称される作品です。都市を破壊する脅威と、それに立ち向かうガメラの姿は、まさに“守護者”としての存在感を際立たせます。怪獣映画でありながら、戦争映画のような臨場感と緊迫感に満ちた一本。

『妖怪大戦争』は、水木しげる原作の妖怪たちと人間の少年が力を合わせて世界の危機に立ち向かうファンタジーアドベンチャー。三池崇史監督による本作は、妖怪一人ひとりの個性と造形の作り込みが見どころです。日本伝統の妖怪文化と現代的なVFXを融合させ、子どもから大人まで楽しめる仕上がりに。少年の成長物語としての側面もあり、家族で楽しめる“ちょっと怖くて、ちょっと笑える”エンタメ作品です。

『アイアムアヒーロー』は、突如として人々が“ZQN（ゾキュン）”という感染者に変貌するパンデミック下で、冴えない漫画家アシスタントがサバイバルしていくゾンビアクション映画。邦画としては異例のグロテスクな表現や本格アクションが話題に。原作漫画の世界観を忠実に再現しながら、リアルな恐怖と主人公の成長を描いています。緻密なVFXと迫力ある戦闘シーンで、邦画ゾンビ作品の新境地を切り開いた一作です。

『寄生獣』は、人間の頭部を乗っ取る謎の寄生生物と、右手だけを侵食された高校生・泉新一の奇妙な共生関係を描くSFサスペンス。寄生生物・ミギーの存在感や哲学的な問いかけが特徴で、アクションと感情のバランスが絶妙です。VFXによる寄生体の造形も見どころで、現代的な映像美と原作の世界観が融合。倫理観・家族愛・自己のアイデンティティといった深いテーマを含みながらも、エンタメ性を損なわない完成度です。

『亜人』は、死んでもすぐに蘇る“亜人”と呼ばれる存在を巡るSFアクション。佐藤健演じる主人公・永井圭と、カリスマ的テロリスト佐藤（綾野剛）との頭脳戦・肉体戦が大きな見どころです。リミッターを外したようなスピード感のあるアクションや、“死”を恐れない戦術の数々がスリル満点。CGと実写が融合したビジュアルも高評価で、原作のスタイリッシュさをしっかりと引き継いだアグレッシブな一本です。

『MONDAYS／このタイムループ、上司に言えない』は、月曜日だけが繰り返されるオフィスを舞台にした異色のタイムループコメディ。中小企業を舞台にしたリアルな職場感と、じわじわ広がる異常事態のギャップが笑いを誘います。限られた時間と空間の中で、何が変わって何が変えられるのかを描きながら、働くことの意味や人間関係の温かさにも触れる構成が魅力。小粒ながら心に残る、発見のある作品です。

『すずめの戸締まり』は、新海誠監督によるファンタジーアドベンチャー。日本各地に現れる“災いを招く扉”を閉める旅に出る少女・すずめの成長と再生の物語です。地震や喪失といった日本固有の痛みを背景にしながら、現実と幻想が交差する映像美が物語を彩ります。ロードムービー形式で進む物語は、笑いや切なさ、温かさに満ちており、若者だけでなく幅広い世代に共感される作品。音楽やセリフの余韻も心に残ります。

『サマーウォーズ』は、仮想空間「OZ」でのシステム暴走が現実世界に波及する中、田舎の大家族と一人の少年が力を合わせて世界の危機に立ち向かう青春冒険アニメ。細田守監督による圧巻のスケール感と、アナログとデジタルの融合が話題です。個性的な家族たちの絆、恋愛模様、手に汗握るネットバトルがテンポよく描かれ、世代を問わず楽しめる内容に。日本の“夏”の風景と心の熱さを感じられる一作です。

『心が叫びたがってるんだ。』は、心に傷を抱えて声を失った少女・成瀬順が、ミュージカルを通じて再び“想いを伝える”ことに向き合う青春群像劇。思春期特有のもどかしさや葛藤が丁寧に描かれ、誰もが抱える心の声に静かに寄り添ってくれます。感情の機微を映し出す演出と、音楽の力が物語をより深く彩ります。『あの花』チームが再集結した本作は、涙腺を優しく刺激する繊細な感動作です。

新海誠監督による短編アニメーション『言の葉の庭』は、雨の日の新宿御苑で偶然出会った男子高校生と謎めいた年上女性との心の交流を、美しい映像と静かな言葉で紡ぐ恋愛ドラマ。四季折々の自然描写や雨粒の表現は圧巻で、“風景の中の感情”を丁寧にすくい上げています。短い時間ながらも詩的で濃密な世界観が魅力で、再会を信じて歩むラストに余韻が残ります。静かに心に沁みる、大人のための青春物語です。

『メアリと魔女の花』は、ジブリ出身の米林宏昌監督が手がけたファンタジーアニメ。魔法の花の力で魔法世界に足を踏み入れた少女・メアリが、勇気をもって自分の力で困難に立ち向かっていく成長譚です。空飛ぶほうきや魔法学校などワクワク感に満ちた世界観と、躍動感あるアニメーションが魅力。魔法に頼るのではなく、自らの選択で進む姿勢が描かれており、子どもだけでなく大人にも響く冒険ファンタジーです。

『さよならの朝に約束の花をかざろう』は、長命種の少女マキアと人間の少年エリアルの親子のような関係を軸に、“別れ”と“絆”を描いたファンタジー作品。岡田麿里の監督デビュー作で、幻想的な世界観と繊細な感情表現が融合しています。美しい背景美術とともに、時の流れによって変わっていく関係の尊さや痛みが胸に迫ります。ファンタジーでありながら、どこか現実的な“家族”の物語として、多くの共感を呼ぶ作品です。