未経験からエンジニアになるには？【転職方法】増えすぎ・やめとけと言われる理由を解説

「未経験からエンジニアを目指すのはやめたほうがいいのでは？」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。SNSや検索結果では「増えすぎ」「きつい」「やめとけ」など、ネガティブな意見も多いため、不安になるのも無理はありません。

しかし、未経験からでもエンジニアとして成功している人がいるのも事実です。この記事では、未経験からエンジニアを目指す人に向けて、デメリット・メリット、転職方法について詳しく解説します。

併せて、未経験のITエンジニア求人を豊富に取り扱うおすすめの転職エージェントを9社厳選し、ランキング形式でまとめました。「本当に未経験からでもエンジニアになれるの？」と疑問に思っている方はぜひチェックしてみてくださいね。

未経験からエンジニアになれる？【2025年最新】

2025年現時点で未経験からエンジニアになることは十分に可能です。

経済産業省の調査 では2030年に最大79万人のIT人材不足が予測されており、未経験者の参入が歓迎される背景があります。実際に、転職サイトdodaが公表している『転職求人倍率レポート（2025年5月）【最新版】』 によると、IT・通信業界の求人数は前年同月比で増加しており、転職希望者数も14.0%増加しました

こうした市場環境において、企業は育成前提での採用を行うケースも多く、スクールや独学で学んだ未経験者が採用される事例も増えています。

ChatGPTなどのAI開発支援ツールの登場によって、初学者でも高品質なコードを素早く書けるようになり、未経験からの転職成功率は現実的に上がっています。

2030年には約400万人のエンジニアが不足する

独立行政法人 労働政策研究・研修機構（JILPT）のレポート によると、中国ではAI技術職の需要が年々高まり、特にアルゴリズムエンジニアへの求人が集中しています。

人材不足指数（TSI）は3.24と深刻な人材不足を示し、2030年にはAI人材の需要が約600万人に達する一方で、供給は200万人程度にとどまり、約400万人が不足する見通しです。

こうした背景から、AIエンジニアは現時点で年収水準が非常に高く、今後AI人材をめぐる競争はさらに激化すると見られています。なお、日本においてもAIエンジニアの平均年収は、厚生労働省が公表するデータ によると約629万円となっており、高水準だと分かります。

【現実】未経験エンジニアは増えすぎ？いらないって本当？

出典：レバテック IT人材白書 2024

未経験エンジニアは「いらない」と言われがちですが、これは一部の誤解や偏見に基づく見方です。たしかに企業の現場では、すぐに戦力として働ける人材が求められることが多く、未経験者を一から育てるには時間もコストもかかるのが実情です。

しかし、すべての企業が即戦力しか採らないわけではなく、エンジニア不足が深刻な今、未経験者を育成前提で採用する動きは年々拡大しています。実際に『レバテック IT人材白書 2024 』では、企業の41.2％が未経験者を採用しており、さらに29.8％が採用を検討中と回答しており、チャンスが広がっていることが分かります。

未経験から転職し、活躍している事例は多くあります。問題は「未経験であること」ではなく、「目的意識があいまい」「学習意欲がない」といった姿勢の差です。
言い換えると、学び続ける姿勢と意志を持つ人材は、未経験でもエンジニアとして大きな戦力になるでしょう。

未経験からエンジニアになるデメリット！「やめとけ」といわれる理由

エンジニアの仕事に魅力を感じていても、「やめとけ」という声があるのも事実。これは一部の現場の厳しさを反映しており、転職を考える前に知っておきたいポイントがあります。

以下では、未経験からエンジニアを目指すうえで直面しやすい3つのデメリットを解説します。

1. 学習時間と習得コストが想像以上に大きい

エンジニアは専門職であり、基本的な開発スキルを習得するまでに1,000時間以上の学習が必要ともいわれます。

実際に、マンツーマンオンラインプログラミング塾「侍エンジニア塾」を運営する株式会社侍が実施した調査 によると、現役エンジニアのエンジニアになるまでの1日の平均学習時間は4時間24分、学習期間の平均は17ヶ月と明記されていることが分かりました。

独学でもスクールでも、基礎〜応用スキルを身につけるには継続的な努力と時間投資が避けられません。さらに、習得後も「できる」ようになるまでには実践経験が繰り返し必要になります。

2. 技術の変化が早く、常に学び続ける姿勢が必要

IT業界は技術革新のスピードが速く、5年前の常識が今では通用しないということも珍しくありません。新しいプログラミング言語やツールが次々に登場し、現場のトレンドも変化します。

そのため、エンジニアは働きながらも継続的に最新トレンドや知識をアップデートする努力が求められます。「学ぶのが好き」な人には向いていますが、そうでない人にはストレスになるかもしれません。

3. 業務量が多く、納期のプレッシャーが大きい

エンジニアの仕事には明確な納期や進行スケジュールがつきもので、状況次第では残業や休日対応が発生することもあります。特に未経験のうちは工数の見積もりやタスク管理に慣れておらず、プレッシャーを感じやすい場面も多いでしょう。

令和6年賃金構造基本統計調査の結果によると、システムエンジニア（受託開発）やソフトウェア開発（スマホアプリ）の月間の平均労働時間は155時間となっています。

リクルートマネジメントソリューションズが実施した調査結果 によると、20〜30代正社員の平均月間労働時間は、男性の最頻値が180時間以上200時間未満（24.2%）、女性は160時間以上180時間未満（40.2%）です。

これらのデータから、納期やタスクのプレッシャーを感じることがあるものの、ITエンジニアの労働時間は他業種と比べて過度に長いとは言えず、比較的安定しているといえるでしょう。

出典：システムエンジニア（受託開発）厚生労働省
出典：ソフトウェア開発（スマホアプリ）厚生労働省

未経験からITエンジニアになるメリット

未経験からエンジニアを目指すことには不安もあるかもしれませんが、それ以上に多くの魅力や可能性があります。

IT業界は成長を続けており、スキルを身につければ働き方や収入の自由度も広がります。ここでは、未経験者だからこそ得られるメリットや、エンジニア職の魅力についてわかりやすくご紹介するのでぜひチェックしてみてくださいね。

1. IT業界は成長中！将来性が高く、仕事に困らない

IT業界は今後も成長が期待される分野であり、エンジニアの需要も年々高まっています。経済産業省の推計では、2030年には最大で79万人のIT人材が不足するとされており、技術職を志す未経験者にとっても大きなチャンスが広がっています。

テクノロジーはあらゆる業界に浸透しており、今後もクラウド、AI、IoTなどの分野でエンジニアの役割はさらに重要になるでしょう。安定性を求める人にとっても、長期的に活躍できる職種といえます。

出典：独立行政法人 労働政策研究・研修機構 AI技術職の需要状況と人材争奪戦
出典：IT 人材需給に関する調査 経済産業省

2. 今後も役立つスキルが身につく

エンジニアのスキルは一度身につければ、業界や会社に関係なく活かせる“武器”になります。たとえばプログラミングやサーバー構築の知識は、転職や副業、独立などさまざまな場面で強みになります。

手に職をつけることで、自分の市場価値を高められるのも大きなメリットです。現職でスキルを磨けば、将来的にリモート案件やフリーランス案件に携わることも可能。

未経験から始めても、実務経験を積みながら段階的に成長できるため、スキルアップを目指す人にとっては長期的なキャリア形成がしやすい職種といえるでしょう。

3. 働く場所や時間を自由に選びやすい

ITエンジニアは、リモートワークやフレックス勤務といった柔軟な働き方を実現しやすい職種です。クラウド環境やオンライン開発ツールの発展により、自宅やカフェなどからでも仕事ができる企業も見られます。

とくに、開発職（フロントエンド・バックエンド）やインフラ系の職種では「フルリモート」の求人も多く、通勤のストレスを減らしたい方にも人気です。

また、フレックスタイム制を導入している企業も多く、育児や副業と両立しやすいのも魅力の一つ。場所や時間にとらわれない働き方を実現したい方にとって、ITエンジニアは理想的な職業だと言えるでしょう。

4. 年収アップを実現しやすい

エンジニアは実力や経験が正当に評価されやすく、年収アップのチャンスが明確な職種です。

たとえば、令和6年賃金構造基本統計調査 の結果によると、システムエンジニア（受託開発）やソフトウェア開発（スマホアプリ）の平均年収は約574万円で、全体平均よりも高水準。

また、スキルを磨くことで収入は着実に伸び、管理職やフリーランスでは年収1000万円超を目指すことも可能です。

キャリアパスも豊富で、プログラマーからPM（プロジェクトマネージャー）、ITコンサル、リードテックなど多彩な道があります。実力主義の業界だからこそ、「結果を出せば評価される環境」で活躍したい人にとっては大きな魅力といえるでしょう。

出典：システムエンジニア（受託開発）厚生労働省
出典：ソフトウェア開発（スマホアプリ）厚生労働省

5. 文系や異業種からでもチャレンジしやすい

出典：エンジニア転向前の職種 IT人材白書2024

ITエンジニアは、理系出身者が多いイメージかもしれませんが、実際には文系出身者や異業種からの転職者も多数活躍しています。

レバテックの「IT人材白書2024」によると、未経験からエンジニアに転職した人の前職は「販売・サービス職」が22.3%、「営業職」が20.3%、「事務職」が15.7%と、多様なバックグラウンドを持つ人々がエンジニアとして活躍していることが示されています 。

未経験者向けの研修やサポート体制が整った企業も多いため、バックグラウンドが違っても、着実にスキルを磨けば活躍できる可能性は十分にあるでしょう。

ITエンジニアに向いている人・向いていない人

ITエンジニアは専門職ですが、特別な才能が必要というわけではありません。ただし、仕事の性質上、向き・不向きがあるのも事実です。

これからエンジニアを目指す方は、自分の性格や行動傾向がどちらに近いかを知ることで、適性の見極めやキャリア選択の参考になります。ここではその特徴をわかりやすく整理します。

未経験からエンジニアになる方法

未経験者がITエンジニアを目指すには、順序立てた準備と積極的な行動が欠かせません。ここでは、未経験からエンジニアになるための基本的なステップを3つに分けてご紹介します。

ステップ1：目指すエンジニア職種を決める

まずは「どのエンジニアを目指すのか」を明確にすることが重要です。

ITエンジニアと一口に言っても、開発・インフラ・テストなど職種は多様です。それぞれ仕事内容や求められるスキルが異なるため、目標職種を定めることで学習内容や応募先も絞りやすくなります。

未経験者でも取り組みやすい職種からスタートし、経験を積んでより高度な職種にステップアップしていくのが現実的です。『未経験からでも目指しやすいITエンジニアの職種5選 』もチェックしてみてくださいね。

ステップ2：必要な知識を学ぶ

職種を決めたら、まずはプログラミングやITの基礎知識を学ぶことから始めましょう。近年では、独学でも書籍や動画、オンライン講座など、学びやすい環境が整っています。

レバテックの「IT人材白書2024」 によると、エンジニアへ転向した人のうち、約4割が事前にプログラミング学習を行っていたということが明らかになりました。

加えて、エンジニアになる前のプログラミング学習方法として、「書籍を読む」が52.2%、「プログラミングスクールに通う」が22.9%。「技術ブログを読む」は19.0%、「職業訓練校に通う」が15.6%という結果となっています。

ステップ3：転職活動をスタートする

基礎知識が身につき始めたら、求人探しを始めましょう。「未経験OK」や「ポテンシャル採用」などのキーワードを使って、自分に合った職場を見つけるのがポイントです。

未経験者を対象にした採用枠は年齢や学習状況によっても左右されるため、早めの行動と準備が大切です。

未経験からITエンジニアになる人におすすめの転職エージェント9選

未経験からITエンジニアを目指す場合、IT業界に強い転職エージェントの活用がおすすめです。ここでは、ITエンジニアの転職サポート実績が豊富なエージェントサービスを9社厳選し、ランキング形式でご紹介します。

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未経験からでも目指しやすいITエンジニアの職種5選

ITエンジニアと一言でいっても、実はさまざまな職種があります。その中には、専門知識や実務経験がなくても比較的挑戦しやすいものも存在します。

ここでは、未経験からでも転職しやすく、かつキャリアアップの土台となる代表的な5つの職種を紹介します。自分の得意分野や興味に合わせて、最初の一歩を踏み出す参考にしてください。

開発エンジニア

開発エンジニアは、アプリやWebサービス、業務システムなどのプログラムを作る職種です。

未経験から目指す場合、まずはHTML/CSSやJavaScript、Pythonといった言語を学び、小規模なアプリ制作に挑戦するのが一般的です。

業務は主にパソコン上で完結するため、オンライン学習との相性がよく、独学からの転職も可能。コードを書いたり仕組みを考えたりするのが好きな方におすすめです。

スキルアップすれば、フロントエンドやバックエンド、さらにはフルスタックエンジニアへとキャリアを広げられるのも魅力です。

出典：厚生労働省 職業情報提供サイト システムエンジニア（Webサービス開発）

ヘルプデスク（ITサポート）

ヘルプデスクは、社内外のユーザーからの問い合わせ対応や、パソコン・システム関連のサポートを行う職種です。ITに関する基礎知識と丁寧な対応力があれば、未経験からでも始めやすく、エンジニア職への第一歩として人気があります。

業務を通じてOSやネットワーク、アカウント管理など幅広い知識を得られるため、将来的に社内SEやインフラエンジニアへのキャリアアップも可能です。

「人を支える仕事が好き」「ITを使う側から支える側へステップアップしたい」という方にぴったりのポジションです。

出典：厚生労働省 職業情報提供サイト システムエンジニア（Webサービス開発）

ネットワークエンジニア

ネットワークエンジニアは、企業のシステムやインターネット接続を支えるネットワークの設計・構築・保守を行う職種です。

専門用語が多く難しそうに見えるかもしれませんが、入門レベルの知識から学べる資格（例：CCNA）もあり、未経験者向けの研修制度が整っている企業も多くあります。

トラブル発生時の対応力や論理的思考が求められますが、構築・設定のスキルは需要が高く、キャリアとしての安定性も抜群です。通信やセキュリティに興味がある人におすすめの職種です。

出典：マイナビITエージェント ネットワークエンジニア

サーバーエンジニア

サーバーエンジニアは、企業がサービスを提供するために欠かせない「サーバー」というコンピュータの設計・構築・保守を担当します。

たとえばWebサイトやアプリの裏側で、情報を処理・管理する仕組みを整える仕事です。最近ではクラウド環境（AWS、GCPなど）を扱う機会も増えており、将来的にクラウドエンジニアへのステップアップも可能です。

Linuxなどの基本操作やサーバーの仕組みから学び始めれば、未経験でも十分に目指せる分野です。縁の下の力持ち的な役割が好きな方に向いています。

出典：マイナビITエージェント サーバーエンジニア

AIエンジニア

AIエンジニアは、機械学習やデータ分析の技術を活用し、AIモデルの設計や実装を行う職種です。Pythonや数学的な知識が求められるため、他の職種と比べると学習のハードルはやや高めですが、需要は非常に高く、将来性も抜群です。

近年ではAI初学者向けのオンライン教材や研修講座も充実しており、未経験者が学びやすい環境が整いつつあります。

データやロジックを扱うことが好きな人、将来的に高収入を目指したい人にとっては、挑戦する価値のある職種といえるでしょう。

出典：厚生労働省 職業情報提供サイト AIエンジニア

未経験からエンジニアを目指すための勉強方法

未経験からエンジニアを目指すなら、まずはプログラミングやIT基礎の学習から始めましょう。HTML/CSS、JavaScript、Pythonなどの入門言語を学び、小さなアプリを作ってみるのが効果的です。

書籍や無料学習サイト、YouTubeなども活用できますが、効率を重視するならプログラミングスクールの受講も選択肢です。

また、GitHubやQiitaでアウトプットすることで実践力が身につき、転職時のアピール材料にもなります。重要なのは「完璧を目指すより、手を動かすこと」。まずは30分でも毎日続け、学習を習慣化させることを意識してみてくださいね。

未経験からのエンジニア転職で企業を選ぶポイント

未経験からエンジニアとして転職する際は、「どの企業を選ぶか」が非常に重要です。最初に注目すべきは、未経験者向けの教育体制が整っているかどうか。研修やOJTがある企業なら、入社後の成長も期待できます。

また、社内の開発環境や先輩エンジニアの在籍状況、成長できる案件の有無なども確認しておきましょう。

SES企業の場合、配属先の内容やフォロー体制にも注意が必要です。求人票だけで判断せず、面接や企業口コミも参考にして「自分が成長できる環境かどうか」を重視して選ぶことが成功への鍵です。

まとめ：未経験からエンジニアになるのはきついことばかりではない

未経験からエンジニアを目指すのは決して楽な道ではありません。学習や転職活動、入社後のキャッチアップなど、乗り越えるべきハードルはあります。

しかし、IT業界は成長が続いており、エンジニアは将来性や柔軟な働き方、年収アップといった多くのメリットを持つ職種です。近年は未経験者を受け入れる企業や支援サービスも増えており、正しいステップで努力を重ねれば、理想のキャリアを築くことも十分可能です。

「きつそうだから」と諦めるのではなく、一歩踏み出すことで、未来が大きく変わるかもしれません。ぜひ前向きに挑戦してみてくださいね。