鬱漫画のおすすめ26選！バッドエンドやトラウマ級の名作を紹介

現代社会の歪みや家庭の問題に鋭く切り込む衝撃作を読みたい人におすすめなのが、タイザン5氏の描く『タコピーの原罪』です。地球にハッピーを広めるためにやってきたハッピー星人のタコピーが、複雑な事情を抱える少女・しずかと出会うところから物語は始まります。無垢な善意が裏目に出て、取り返しのつかない悲劇へと転がり落ちていく展開に、ページをめくる手が止まりません。可愛らしい絵柄とは裏腹に、描かれる暴力や絶望の描写はあまりにリアル。読者の倫理観を激しく揺さぶり、本当の幸福とは何かを深く問いかける一冊。SNSを中心に社会現象を巻き起こした、現代のトラウマ漫画の決定版と言えます。

圧倒的な画力で描かれるSFアクションと、人間ドラマの融合を楽しみたい人におすすめです。冴えない老人の犬屋敷壱郎と、冷酷な高校生の獅子神皓。偶然にも宇宙の力によって機械の体を手に入れた二人が、それぞれの意志でその力を行使していく様を描きます。人を助けることで生を実感する犬屋敷と、人を殺めることで生を感じる獅子神の対比が見事。緻密な背景描写とダイナミックな戦闘シーンは圧巻で、正義とは何か、人間とは何かを強烈に突きつけられます。『GANTZ』の奥浩哉氏ならではの圧倒的なスケール感に、一気に引き込まれること間違いなしのエンターテインメント大作です。

大切な人を亡くした喪失感に寄り添う、魂を揺さぶる物語を求める人におすすめなのが本作です。ブラック企業勤めのシイノが、親友マリコの死を知り、彼女の遺骨を強奪して旅に出るという衝撃の幕開け。マリコの過去を辿りながら、残された者の葛藤や怒り、そして深い愛情が荒々しくも繊細な筆致で描かれます。単なる感動作に留まらない、剥き出しの感情がぶつかり合うロードムービーのような読後感が魅力。短い巻数の中に凝縮されたエネルギーは凄まじく、読者の心に消えない爪痕を残す名作です。平庫ワカ氏の描く、荒削りながらも熱量の高いビジュアルが物語の切なさをより一層際立たせています。

可愛らしいキャラクターと本格的なサバイバルホラーのギャップに驚きたい人におすすめです。学校に寝泊まりする「学園生活部」の日常を描いているように見えて、実はゾンビが蔓延るパンデミック後の世界が舞台。主人公・由紀の視点を通した「幸せな学園生活」と、現実の凄惨な状況が交互に映し出される演出は秀逸です。絶望的な状況下でも、仲間と支え合いながら明るく生き抜こうとする少女たちの強さと脆さに胸を打たれます。伏線回収の見事さと、先の読めないスリリングな展開が魅力の注目作。アニメ化もされた、日常系作品の皮を被った本格ホラーの傑作として高い人気を誇ります。

綺麗事だけではない、人間のドロドロとした恋愛感情や欲望を直視したい人におすすめです。お互いに別に好きな人がいながら、寂しさを埋めるために付き合う花火と麦。歪んだ関係の中で生まれる嫉妬、独占欲、そして自己嫌悪が、美麗なイラストと共に残酷なまでに美しく描写されます。誰しもが抱える心の隙間や、愛されたいという本能的な叫びが丁寧に紡がれており、読んでいて胸が苦しくなるほど。青春の痛みを鋭く切り取った、切なくも冷徹なラブストーリーとして、多くの読者の共感を呼んでいます。横槍メンゴ氏の繊細な作画が、キャラクターたちの揺れ動く内面を見事に表現しています。

じわじわと精神を侵食するような、究極の心理サスペンスを体験したい人におすすめです。穏やかな日常を送っていた中学生の静一が、母・静子の恐ろしい一面を目撃したことで、運命が狂い始めます。過保護を通り越した歪な母の愛が、徐々に息子を追い詰めていく様が、圧倒的な筆力で描かれています。セリフを削ぎ落とし、表情や背景だけで心理描写を行う独特の手法は、息が詰まるほどの緊張感。逃げ場のない親子関係の闇を描き切り、読者の心に深い不安と衝撃を植え付ける、唯一無二のトラウマ漫画です。巨匠・押見修造氏が描く、美しくも不気味な世界観から目が離せなくなるはず。

発達障害というデリケートな題材を、誠実に描き出した人間ドラマを読みたい人におすすめです。同人漫画家の横井と、彼を訪ねてきたアスペルガー症候群の少女・斎藤。生きづらさを抱える二人が、衝突を繰り返しながらも、お互いを理解しようと歩み寄る日々が克明に綴られています。美化されない苦しみや現実の厳しさが真正面から描かれており、当事者や周囲の葛藤が痛いほど伝わってきます。不器用ながらも必死に生きる二人の姿に、コミュニケーションの本質や、他者と共生することの意味を深く考えさせられる名作。SNSでも大きな反響を呼んだ、心に深く染み入るヒューマンドラマです。

容姿にコンプレックスを持つ人間の、業と執念を描いたダークファンタジーを好む人におすすめです。醜い容姿ながら天才的な演技力を持つ累が、母の遺品である「口づけした相手の顔を奪える口紅」を手に入れ、美貌を奪い表舞台に立つ物語。美しさへの渇望が引き起こす悲劇と、演じることへの狂気が、演劇の世界を舞台にドラマチックに展開します。緻密で流麗な作画が、人間の醜悪な内面と華やかな外見の対比を際立たせ、読者を物語の深淵へと誘います。欲望と代償の果てに何が残るのか、ページをめくるたびに背筋が凍るようなスリルが味わえる一冊。実写映画化も果たした重厚な物語です。

青春の鬱屈とした感情や、自分でも抑えられない衝動に共感したい人におすすめです。平凡な少年・春日が、クラスの変わり者・仲村に弱みを握られたことから、内面の「変態性」を暴かれていく物語。ボードレールの詩集を心の拠り所にしながら、閉塞感漂う田舎町で足掻く彼らの姿は、痛々しくも鮮烈です。自己嫌悪と他者への軽蔑が混ざり合った独特の世界観は、読者の心の奥底に眠る黒い感情を呼び覚まします。常識を破壊し、本当の自分を見つけようとする狂気的なまでの思春期を描いた、問題作にして傑作。押見修造氏が描く、剥き出しの自己探求の物語は、読む者の価値観を根本から揺さぶります。

学校という閉鎖的な空間での、いじめや格闘をリアルに描いた衝撃作を求める人におすすめです。親友とのトラブルをきっかけに、執拗ないじめの標的となった主人公の歩。絶望的な状況に追い込まれながらも、彼女が自らの意志で立ち上がり、運命を切り拓いていく姿が力強く描かれます。いじめの描写は苛烈極まりないものの、それを乗り越えようとする主人公の成長と勇気には、多くの読者が胸を打たれました。社会問題にも一石を投じた本作。孤独と向き合い、本当の強さを手に入れるまでの歩みの軌跡は、今なお色褪せない圧倒的なエネルギーを放ち、読む者に勇気を与える力を持っています。

戦後の混乱期を舞台に、熱い絆で結ばれた男たちの生き様を体感したい人におすすめです。湘南特別少年院の「二舎六房」に収監された7人の少年たちが、教官らの非道な虐待に耐えながら、再会を誓い合う物語。過酷な現実の中でも決して希望を捨てず、友情と尊厳を守り抜こうとする彼らの姿は、涙なしには読めません。昭和の泥臭さと男たちの信念が、柿崎正澄氏の力強い劇画タッチで活写されています。不条理な社会に抗い、自由を求めて走り抜ける少年たちの魂の叫びが、読む者の心に熱く響き渡る感動の巨編。人間の尊厳とは何かを厳しく、そして美しく問いかける作品として定評があります。

息つく暇もない緊迫感に満ちた、サイコサスペンスの傑作を堪能したい人におすすめなのが本作です。雨の日にだけ現れ、残虐な殺人を繰り返すカエル男。彼が自称する「刑」という名の殺害方法はどれも猟奇的で、捜査に当たる沢村刑事をも絶望の淵へと叩き落とします。家族を巻き込んだ壮絶な心理戦と、緻密に構成された伏線が読者を恐怖の渦に巻き込みます。雨の描写が象徴的に使われており、ジメジメとした不気味な空気感がページから伝わってくるかのよう。最後まで予測不能な展開が続くスリリングな物語。巴亮介氏が描く、冷徹で緻密な筆致が、作品のリアリティを極限まで高めています。

日常が徐々に怪異に侵食されていく、唯一無二のホラー体験を求める人におすすめです。黒渦町に住む女子高生・五島桐絵の周囲で、「うずまき」にまつわる奇怪な現象が多発し始めます。人体がうずまき状にねじれ、空には巨大なうずまき雲が広がるなど、想像を絶する不気味なビジュアルが伊藤潤二氏特有の緻密な絵で描かれます。論理では説明できない不条理な恐怖が町全体を包み込み、読者を逃げ場のない悪夢へと引きずり込みます。日本が誇るホラー漫画の金字塔であり、その独創的な世界観は世界中で高い評価を得ています。一度見たら忘れられない、視覚的にも精神的にも衝撃を与える名作中の名作。

純愛という名に隠された、あまりに歪で純粋な狂気を体験したい人におすすめです。誰にも愛を感じられなかった少女・さとうが、幼いしおと出会い、初めて知った「本物の愛」を守るために手段を選ばず凶行に走る物語。パステルカラーの可愛らしい絵柄と、描かれる冷酷な殺意や精神の崩壊とのギャップが凄まじく、読者の情緒を激しく揺さぶります。愛のためなら何をしてもいいのかという倫理的問いを突きつけながら、破滅へと向かう二人の物語は、美しくも残酷な輝きを放っています。鍵空とみやき氏が描く、甘く毒々しい心理ホラーの決定版。衝撃的な展開の連続に、あなたは最後までついていけますか。

野生的なバイオレンスと、狼男という伝奇的要素を組み合わせた物語が好きな人におすすめです。不老不死の力を持つ「人狼」の少年、犬神明が、暴力に支配された学校や理不尽な社会に翻弄される姿を過激な描写で描きます。圧倒的な力を持ちながらも孤独を抱え、人間の醜い欲望の標的となる明の葛藤は、読む者の胸を締め付けます。田畑由秋氏と余湖裕輝氏によるダイナミックな作画が、アクションシーンの迫力と残酷さを際立たせ、中毒性のある世界観を構築。過激な描写の中に、人間の本質を突く鋭い問いかけが潜んでいます。昭和の名作を現代的に再構築した、圧倒的な熱量を持つバイオレンス大作です。

人生の虚無感や生きづらさを抱え、深い内省を促す物語を求める人におすすめなのが本作です。鳥のような奇妙な姿で描かれる主人公・プンプンの幼少期から青年期までを追うクロニクル。初恋、家族の崩壊、自身の性への関心、そして社会への適合。リアルで残酷な現実が、浅野いにお氏の圧倒的な画力で赤裸々に綴られます。読んでいるうちに、プンプンの抱える孤独や痛みが自分ごとのように感じられ、胸を抉られるような体験をすることでしょう。救いのなさと美しさが同居する、現代を生きる全ての大人たちに捧ぐ黙示録的な一冊。言葉にならない感情を可視化したような、唯一無二の読書体験を約束します。

未知への憧憬と、それに伴う凄惨な代償を描いた冒険ファンタジーを求める人におすすめです。巨大な秘境の大穴「アビス」を舞台に、少女リコとロボットのレグが深層を目指す物語。可愛らしいキャラクターデザインに反して、待ち受ける原生生物の驚異や「上昇負荷」による呪いの描写は極めて過酷。憧れのために命を懸け、時には何かを切り捨てなければならない旅路の残酷さが、圧倒的な密度で描かれます。つくしあきひと氏の緻密な設定に基づいた世界観構築は圧巻。過酷な冒険の果てに何があるのか、その答えを求める旅に魅了されます。美しさと残酷さが同居する、唯一無二のファンタジー巨編。

避けられない運命に翻弄される少年少女の、極限状態での決断を見届けたい人におすすめです。巨大ロボット・ジアースを操縦し、地球を守るために戦うことになった15人の子供たち。しかし、その勝利の代償は操縦者の「死」であるという衝撃の事実が突きつけられます。自分の命と引き換えに何を護るのか、それぞれが人生の最後に下す決断が、一人ひとりのドラマとして丁寧に描かれます。鬼頭莫宏氏が描く、SF設定を借りた死生観の探求であり、社会の不条理や人間のエゴを厳しく描写した、読者の心に深く突き刺さる哲学的SFの名作。あなたが彼らの立場なら、何を願うでしょうか。

希望を捨てた若者の、やるせない怒りと焦燥感を描いた人間ドラマに触れたい人におすすめです。普通の生活を望みながらも、家庭の崩壊と自身の罪によって追い詰められていく少年・住田。古谷実氏がギャグ漫画から転換し、人間の内面の闇を冷徹に描き出した意欲作です。日常が崩れ去っていく恐怖と、そこから抜け出そうと足掻くほどに深まる泥沼のような絶望が、乾いた筆致で綴られます。救いのない物語の中に、生への執着が微かに光る様は圧巻。思春期の危うさと孤独を鋭く切り取り、読む者の価値観を揺さぶる一冊。震災後の風景を重ねた映画化でも話題となった、ゼロ年代を代表する衝撃作です。

世界の終末を背景にした、切なくも美しい純愛の物語を堪能したい人におすすめです。北海道の街で静かに愛を育んでいたシュウジとちせ。しかし、ちせが政府によって「最終兵器」に改造されていたことから、二人の日常は戦火と共に崩壊していきます。戦争という大きな運命に抗う術もなく、ただ愛し合いたいと願う二人の姿が、高橋しん氏の繊細なタッチで描かれます。セカイ系作品の先駆けとしても知られ、極限状況下で剥き出しになる愛の本質と、あまりに儚い最期に、多くの読者が涙を流した伝説的作品。愛することは、時として世界を敵に回すこと。その重みと切なさが胸を抉る名作です。

平穏な日常が突如として地獄へと変わる、極限のパニックホラーを体験したい人におすすめです。修学旅行中の新幹線がトンネル内で事故に遭い、生き残った高校生たちが暗闇と恐怖の中でサバイバルを繰り広げます。外の世界はどうなっているのか、自分たちは助かるのかという不安が、望月峯太郎氏の緻密な心理描写と迫真の画力で描かれます。徐々に精神を病んでいく者、権力に固執する者など、極限状態で露呈する人間の本性が生々しく、読者の不安を最大限に煽ります。文明が崩壊した後の世界を歩む絶望的な旅路は、パニック漫画の最高傑作として今なお多くのファンを恐怖のどん底に突き落としています。

人間の内面に潜むコンプレックスや、無意識の正体を覗き見たい人におすすめなのが本作です。ホームレス生活を送る名越は、報酬と引き換えに頭蓋骨に穴を開ける手術「トレパネーション」を受けます。その副作用で、彼には他人の深層心理が奇怪な異形（ホムンクルス）として見えるようになります。山本英夫氏の圧倒的な想像力で具現化されたホムンクルスのビジュアルは圧巻で、見る者に生理的な衝撃を与えます。他者の闇を直視することで、自分自身の正体をも見失っていく名越の迷走が描かれます。脳と心の境界線を探求する、知的刺激に満ちた衝撃のサイコスリラー。深淵を覗く覚悟のある方に。

いじめの復讐が招く、凄惨なバイオレンスと悲哀に満ちた物語を求める人におすすめです。雪深い田舎の町に転校してきた野咲春花は、凄惨ないじめの末に家族を焼死させられます。その怒りと絶望が限界を超えたとき、彼女の手による残酷な復讐劇が幕を開けます。押切蓮介氏が描く、美しくも残酷な雪景色の描写と、剥き出しの狂気が交錯する様は圧巻。いじめに加担した者たちの歪んだ家庭事情なども丁寧に描かれ、誰もが被害者であり加害者であるというやるせなさが漂います。凍てつく心と血に染まった雪が象徴的な、衝撃のトラウマ漫画。復讐の果てにある虚無感が、読者の心に冷たく突き刺さります。

魂を削り合う武士たちの、狂気にも似た執念と残酷美を堪能したい人におすすめです。江戸時代初頭、駿河城内で行われた真剣御前試合。隻腕の剣士・藤木源之助と、盲目の天才・伊良子清玄。二人の宿命の対決を軸に、武士道の闇と美学が剥き出しの暴力と共に描かれます。山口貴由氏による、内臓や筋肉の動きまでを詳細に描写する劇画タッチは圧倒的な迫力で、視覚的な快感と恐怖を同時に与えます。封建社会の歪みの中で、自らの技を極めようとする男たちの執念が、凄まじい熱量でページから溢れ出します。残酷さと美しさが極限まで研ぎ澄まされた、時代劇漫画の到達点とも言える傑作。覚悟して読み進めてください。

少年少女の成長物語という皮膜を剥いだ、あまりに残酷なSFサスペンスを読みたい人におすすめです。不思議な生き物「ホシ丸」と出会った少女・シイナの冒険譚として始まりますが、物語は急速に人間の悪意と世界の破滅へと舵を切ります。鬼頭莫宏氏が得意とする、淡々とした筆致で描かれる凄惨な暴力や性描写は、読者の心に強烈な違和感と恐怖を植え付けます。特別な力を手に入れた子供たちが、その力を制御できず、社会の悪意に曝されて破滅していく様はあまりに痛ましい。現代社会への鋭い批判を孕んだ、美しくも絶望的な、唯一無二の世界観を持つ作品。読み終えた後、深い沈黙があなたを包み込むことでしょう。

想像を絶する設定の裏に隠された、人類の存亡を懸けたパニックホラーを好む人におすすめです。拉致された少年たちが目覚めた場所は、人間を「食糧」として育てる巨大施設でした。肥え太らされる人々、異形の「化け物」たちの存在、そして施設を運営する組織の思惑。緻密な作画で描かれるグロテスクな描写と、先の読めないサスペンスフルな展開が読者を惹きつけます。なぜ人間が食料とされるのかという謎が明かされるにつれ、物語のスケールはさらに拡大。生理的な嫌悪感と、知的好奇心を同時に刺激する、衝撃のパニックホラー。飽食の時代の裏側に潜む恐怖を、これでもかと描き出した問題作です。