独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターの公式サイト では、人口の28%もの方が便秘に悩まされていると明記されています。
便秘は日常生活の質を大きく下げるだけでなく、慢性化すると痔や大腸疾患の原因にもつながるため、早めに対策をしなければなりません。市販の便秘薬や下剤には、即効性が期待できるものから、継続して使えるタイプまでさまざまな種類があるため、どれを手に取ればいいか迷う方も多いでしょう。
この記事では、おすすめの便秘薬・下剤を厳選し、人気ランキング形式でご紹介します。作用の違いや副作用リスクもまとめたので、あなたの症状や体質に合う便秘薬や下剤を見つけることができるはずです。
即効性が期待できる便秘薬・下剤は?お腹が痛くならない市販薬は?
日本内科学会雑誌第108巻第1号 によると、センノシドやビサコジルといった刺激性下剤は服用後6〜12時間ほどで効果が期待でき、即効性に優れているとされています。
| 分類 | 一般名・成分 | 作用時間(通常) | 市販薬 |
|---|---|---|---|
| アントラキノン系 | センノシドA・B、センナ、大黄 | 服用後8〜12時間 | スルーラックS タケダ漢方便秘薬 新ウィズワン ビオフェルミン便秘薬 など |
| ジフェニルメタン系 | ビサコジル(坐薬) | 15〜60分(坐薬) | スルーラックS コーラック コーラックⅡ(錠剤・坐薬タイプあり)など |
※効果発現時間はあくまで目安であり、体質や腸内環境によって前後することがあります。
※ここで紹介する商品は代表例であり、すべての便秘薬を網羅しているわけではありません。購入時は必ず添付文書を確認してください。
引用:慢性便秘の治療―大腸刺激性下剤の種類とその使い方―|日本内科学会雑誌第108巻第1号
日本大腸肛門病会誌 によると、ポリエチレングリコールやラクツロースといった浸透圧性下剤は、便を柔らかくして自然な排便を促す効果が期待でき、副作用の腹痛や下痢が比較的少ないため、慢性便秘でも長く使える薬とされています。
ただし、刺激性下剤を長期間続けると効き目が弱くなったり依存につながる恐れがあるため、慢性便秘ではまず浸透圧性下剤を選ぶことが推奨されています。
※腎機能が低下している方では電解質異常のリスクがあるため、医師の管理下で使用する必要があります。
出典:日本大腸肛門病会誌|慢性便秘症の診療
出典:IBS・便秘外来|慢性便秘症
出典:慢性便秘の治療―大腸刺激性下剤の種類とその使い方―|日本内科学会雑誌第108巻第1号
便秘薬・下剤の副作用は?毎日飲んでも大丈夫?
※長期にわたって毎日使用する場合は必ず医師に相談してください。自己判断で継続すると逆に便秘が悪化する恐れがあります。
便秘薬には種類ごとに副作用のリスクがあります。
センノシドやビサコジルなどの刺激性下剤は、腸を強く刺激して排便を促すため即効性が期待できますが、腹痛や下痢を起こしやすく、長期間毎日飲み続けると耐性や依存性が生じ、かえって便秘が悪化する恐れがあります。
一方、酸化マグネシウムやポリエチレングリコールといった浸透圧性下剤は腸に水分を集めて便を柔らかくする仕組みで、腹痛が少なく慢性便秘にも用いやすいとされています。
ただし、腎機能が弱い人では電解質異常を起こすことがあるため注意が必要です。
| 分類 | 一般名・成分 | 作用機序 | 主な副作用 |
|---|---|---|---|
| アントラキノン系 | センノシドA・B、センナ、大黄 | 腸内細菌で分解されレインアンスロンとなり、筋層間神経叢を直接刺激して高振幅大腸収縮波を惹起 さらに水分吸収を阻害し、便を湿潤化 | 腹痛、下痢、悪心・嘔吐、低K血症、低Na血症、着色尿、大腸メラノーシスなど |
| ジフェノール系 | ピコスルファートNa水和物 | 腸内細菌で分解されジフェノールとなり、筋層間神経叢を直接刺激して蠕動を惹起 水分吸収抑制作用もあり 比較的緩徐に作用 | 腹痛、悪心・嘔吐、下痢、腹部不快感など |
| ジフェニルメタン系 | ビサコジル(坐薬) | 結腸・直腸粘膜の副交感神経末端を刺激し蠕動促進 Na⁺/K⁺-ATPase阻害により水分・電解質吸収を抑制 排便反射を刺激 | 腹痛、迷走反射刺激、直腸炎、直腸刺激感、肛門部不快感など |
引用:慢性便秘の治療―大腸刺激性下剤の種類とその使い方―|日本内科学会雑誌第108巻第1号
便秘薬・下剤の選び方
出典:慢性便秘症診療ガイドライン2017|日本内科学会雑誌第109巻第2号
ここでは便秘薬・下剤を選ぶ際に注目したいポイントを解説します。
薬は種類ごとに作用や即効性の有無が異なり、体質やライフスタイルによって適したものも変わります。飲みやすさや使用期間も考慮し、自分に合った薬を見極めることが大切です。
種類で選ぶ
便秘薬は大きく分けて「刺激性下剤」「浸透圧性下剤」「膨張性下剤」「漢方薬」の4タイプがあります。それぞれ特徴が異なり、目的に応じて選ぶことが大切です。
即効性を求めるなら「刺激性下剤」
- センノシド(スルーラックSなど)やビサコジル(コーラックなど)は、大腸を刺激して排便を促す薬です。
服用後6〜12時間で効果が期待でき、頑固な便秘に役立ちます。ただし腹痛や下痢が起こりやすく、連用すると効きにくくなるため短期間の使用にとどめましょう。
出典:慢性便秘症:刺激性下剤の使用について|独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
一定期間、継続して使いたいなら「浸透圧性下剤」
- 酸化マグネシウムやポリエチレングリコール(モビコールなど)、ラクツロースは腸に水分を集めて便を柔らかくします。
腹痛が少なく慢性便秘にも使いやすいのが特徴。ただし腎機能が低下している方は注意が必要です。
自然な排便習慣を整えたいなら「膨張性下剤」
- プランタゴ・オバタ(新ウィズワンなど)は、水分を吸収して便のかさを増やすタイプ。
比較的穏やかに作用し、生活習慣の改善とあわせて使うと効果が期待できます。
出典:慢性便秘の治療―膨張性下剤の使い方―|日本内科学会雑誌第108巻第1号
「漢方薬」を利用する方法も
- 大黄を含む漢方薬(タケダ漢方便秘薬など)は刺激性下剤の一種で、体質改善も狙えますが、長期連用は避けるべきとされています。
出典:慢性便秘の治療―漢方薬の種類とその使い方―|日本内科学会雑誌第108巻第1号
効果が現れるまでのスピードで選ぶ
便秘薬は種類によって効果が現れるまでのスピードが大きく異なります。
たとえば、ビサコジル坐薬や浣腸は15〜60分で作用するため、すぐに便を出したいときに役立ちます。一方、酸化マグネシウムやポリエチレングリコールといった浸透圧性下剤は作用が穏やかで、効果が出るまでに12〜24時間程度かかるのが一般的です。
刺激性下剤は服用後6〜12時間で排便を促すことが多いため、寝る前に服用して翌朝の排便を期待するケースもあります。
急な便秘を解消したい場合には即効性タイプを、毎日の排便リズムを整えたい人には作用が緩やかなタイプを選ぶと、自分のライフスタイルに合わせて使いやすくなります。
体質やライフスタイルに合わせて選ぶ
※妊娠中・授乳中の使用可否は薬ごとに異なります。必ず医師・薬剤師に相談してください。
便秘薬を選ぶ際には、自分の体質や健康状態、ライフスタイルを考慮することが欠かせません。妊娠中や授乳中の方には安全性の高い薬が限られるため、必ず医師や薬剤師に相談して選びましょう。
また、高齢者や腎機能が低下している人は酸化マグネシウムなどの使用に注意が必要です。外出や旅行が多い人で即効性を重視する場合には、坐薬や浣腸など短時間で効果が出るタイプが便利ですが、常用は避けるべきです。
生活習慣の改善とあわせて、自分に合った薬を無理なく取り入れることが大切です。体質やライフステージによって適した薬が変わるため、選ぶ際は安全性や副作用のリスクも必ず確認しましょう。
出典:酸化マグネシウム製剤の腎機能低下患者における血清マグネシウム値への影響
形状や飲みやすさで選ぶ
便秘薬には錠剤・粉末・液体などさまざまな形状があり、飲みやすさや使いやすさで選ぶのも重要です。
錠剤は水で飲むだけなので手軽で持ち運びにも便利。忙しい日常の中でも続けやすいのが魅力です。粉末は水やお茶に溶かして服用でき、錠剤が苦手な人や小さな子どもにも使いやすいタイプです。
液体タイプはさらに飲みやすく、味やにおいが気になる人にも適しています。高齢者や嚥下機能が低下している人にもおすすめです。
自分にとって負担が少ない剤形を選ぶことで、毎日の服用を習慣化しやすくなり、便秘解消の効果も得やすくなります。薬の成分だけでなく、形状やライフスタイルへの適合性も考えて選びましょう。
便秘薬・下剤のおすすめ人気ランキング19選
※ランキングは販売実績や一般的な人気を参考にしており、必ずしも全員に適した薬というわけではありません。
ここでは、市販で手に入る便秘薬・下剤の中から人気の高い商品を厳選してご紹介します。
即効性があるものから毎日でも使いやすいタイプまで、それぞれの特徴やおすすめポイントをわかりやすくまとめました。自分の症状や生活スタイルに合った便秘薬・下剤選びにお役立てください!
便秘薬と下剤の違い
「便秘薬」と「下剤」は混同されがちですが、厳密には意味が異なります。
便秘薬は整腸剤や食物繊維製剤を含む広い概念で、腸内環境を整えて自然な排便を促すものも含みます。
一方、下剤はその中でも便を出すことに特化した薬で、刺激性下剤や浸透圧性下剤が代表的です。
つまり便秘薬は「予防・改善」までを含み、下剤は「排便させる即効的な薬」という位置づけです。使う目的や頻度に応じて正しく選ぶことが重要です。
便秘薬・下剤の飲み方・服用方法とは?
便秘薬は種類によって作用機序や効果の出る時間が異なります。そのため「薬の特徴に応じた服用方法」を守ることが大切です。
一般的には、就寝前または空腹時にコップ1杯の水で服用するのが推奨されます。これは、腸の活動が活発になる朝に効果を発揮しやすいためです。
| 種類 | 主な成分例 | 作用の特徴 | 効果発現時間 |
|---|---|---|---|
| 刺激性下剤 | センノサイド、ビサコジル | 腸のぜん動運動を促進 | 6〜12時間 |
| 浸透圧性下剤 | 酸化マグネシウム、ラクツロース、ポリエチレングリコール | 腸内に水分を引き込み便を柔らかくする | 半日〜1日 |
| 便軟化剤 | DSS(ジオクチルソジウムスルホサクシネート) | 便に水分を含ませて柔らかくする | 個人差あり(比較的マイルド) |
| 坐薬・浣腸 | ビサコジル坐薬、グリセリン浣腸 | 肛門から直接作用 | 15〜60分 |
便秘薬を使用する際は、初回は必ず最小量から始め、効果を見ながら調整しましょう。
服用時はコップ1杯の水とともに飲み、特に便を柔らかくする薬では水分不足が効果の減弱や副作用につながるため注意が必要です。
長期連用は避け、3日以上改善がない場合は医師や薬剤師に相談し、腸閉塞や炎症性腸疾患など持病がある方は必ず事前に確認してください。
腸内環境を整えたい方必見!おすすめの整腸剤
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便秘薬・下剤に関するよくある質問
ここでは便秘薬・下剤を選ぶ際に多く寄せられる疑問にお答えします。
出口で固くなった便をどうすれば出せるのか、市販薬や病院処方薬の違い、さらに人気のスルーラックとコーラックの比較まで、気になるポイントをわかりやすくまとめました。
出口で固くなった便を出す方法と薬は?
- 出口付近で便が硬くなって出にくい場合は、便を柔らかくする「浸透圧性下剤」や「糖類下剤」がおすすめです。酸化マグネシウムやラクツロースは腸内に水分を集め、硬い便をほぐす働きがあります。
また、肛門近くに便がたまっているときは、坐薬や浣腸を使うと短時間で排便を促せます。しかし、市販薬で改善しない場合や強い痛みがある場合は、肛門科や内科を受診して処置を受けることを推奨します。
出典:日本大腸肛門病会誌 第72巻10号(2019)
出典:日本内科学会雑誌 第108巻1号(2019)
出典:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター公式サイト「慢性便秘症」
まとめ
便秘薬や下剤は、「すぐに効かせたいのか」「毎日続けたいのか」といった目的によって選び方が変わります。急な便秘や旅行中には即効性のある刺激性下剤が便利ですが、腹痛や依存のリスクがあるため短期間の使用にとどめましょう。
一方、慢性便秘や日常的なお通じ改善には酸化マグネシウムやポリエチレングリコールなどの浸透圧性下剤がおすすめです。
今回ご紹介した19種類の中から、自分の体質やライフスタイルに合った便秘薬を見つけて、お腹の調子を整えましょう。
※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断や処方の代替にはなりません。症状が続く場合は医療機関を受診してください。
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