読みやすい小説のおすすめ19選｜初心者向けのおもしろい作品を紹介

専門家からのコメント

団長

本のソムリエ

収録されている24の短編は、どれも読みやすく、わかりやすく、しかも、いい話ばかり。何かと慌ただしい毎日の中で、この作品を読むひとときは、よき癒しであり、気分転換であり、明日への希望。おやすみ前の読書にも、ぴったり。表紙の雰囲気、本を手に取ったときの質感も言うことなし。デジタルではなく、紙の本で読みたくなります。いつでも、どこでも、この作品を開けば、心温まる、穏やかな読書の時間が始まる…、安心してお楽しみください。プレゼントにもおすすめです。

専門家からのコメント

たつみ

モーニング珈琲読書会 ～東京～　主催者

「読みやすい小説」を紹介するにあたり、まずは「読みやすい」の定義をしなければいけない。そこで私はこう定義した。 ・文体が読みやすい。 ・感情移入しやすい。 ・ストーリーが込み入りすぎていない。 ・好き嫌いの分かれる物語ではない。 これらを満たす小説を考えた結果、「クスノキの番人（東野圭吾著）」をおすすめしたい。東野圭吾は主にミステリー小説を書く作家であり、基本的には何かしらの殺人事件等が起こる。しかし、こちらの作品は大きな事件は起こらず、ストーリーも前向きなものだ。だがもちろん東野圭吾となれば、読者に退屈をさせるわけがない。巧みにミステリー要素を折りまぜ、読めば読むほどに引き込まれる不思議な魅力がある。 「読み終えた人が明日に希望を持てるように、と思いながら書きました。」とは東野圭吾の言葉である。トリックスターが描く、希望に満ちた世界観に浸ってみてはいかがだろうか。読んで後悔しないことを、約束する。

専門家からのコメント

サトウクリ

読書会主宰者

現役ボディビルダーである後藤の「おデブ」を見る目は厳しい。　 特に職場のおデブさんたちには驚きを隠せない。会社の電話が鳴っても気にせずに、脂肪と砂糖がたっぷり入ったお土産のお菓子を食べ続ける意志力はどこから来るのか。体脂肪を揺らし、いつもごきげんに仕事をサボる部署の面々を見て後藤は思う。 係長というポジションからくる仕事の忙さに加えて、飲み会のお誘いや泊まりがけの出張などが理由で、ボディビル大会に向けての体調管理は失敗の連続だ。専属トレーナーとのトレーニングもままならない。そんな時、職場のおデブさんたちは仕事のサポートもしてくれないし、何ならミスの連続で足かせとなっている。もしかして身体の余計な体脂肪と役に立たない社員たちは、自分にとっては同一の存在で、必要ないかも知れないと思い始める。 果たして後藤はボディビル大会までに身体を仕上げることができるのだろうか。シニカルで軽妙なストーリーの中に、人としての有り様の本質が宿る。新世代マッスル小説の誕生だ。

専門家からのコメント

みたっくす

読書しない読書会 主催者

普段はあまり足を運ばないジャンルの棚をめぐり、感性に従って本を選び、その理由をシェアする「読書しない読書会」を、かれこれ10年以上にわたって、80回以上開催してきました。

参加者の中には、日ごろ本をまったく読まない方も少なくなく、小説の世界とは無縁に近いという方もいます。

 今回は、そんな中でもひときわ印象に残り、気づけば「買わずにはいられない」と感じさせた小説を、参加者の選書理由とあわせてご紹介します。

 普段からフィクション中心の読書を好む私が、『ナイルパーチの女子会』を手に取ったのは、そのタイトルにある「女子会」という言葉が、男性である自分には未知の世界に感じられたからです。

どのような空気感が広がっているのか、まったく想像がつかないからこそ、強く興味をかき立てられました。

さらに、この本との出会いをきっかけにジェンダー論にも関心を持ち、気づけば関連書籍を何冊か手に取っていたことも印象的です。

とはいえ、最終的に購入を決めたのは、他の書籍にはない生々しさを醸し出していると感じたから。いわば「ありふれた現実」を、まるで直に切り取ったような雰囲気に惹かれ、そのままレジへと足を運んでいました。